15 February, 09

「古道具。」

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毎週日曜日になると、このあたり(San Telmo地区)ではDorrego広場を中心にして「Antique Fair(骨董品市)」が開催される。

2人の泊っている宿は、そんな地区の中心に位置していて、ある意味、ここに泊っているのは「このため」といっても過言ではないかもしれないくらいだ。

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2人とも、とにかくこの、「古道具」ってやつを見るのが本当に大好きなのである。

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特にJは、マーケットが開催されていないような日でも毎日のように同じ道具屋街を歩き回っては“掘り出し物探し”に精を出している。この界隈には普段から本当にたくさんの古道具屋が通りやアーケードの中に店を広げており、だからといって毎日歩いても特に商品がすぐ変わるわけではないのだけれど、同じ棚やテーブルの上に並べられた品々の「行間」を読みながら、日々なにか新しい発見がないかと、そんな事に心をウキウキさせているのである。
因みに、掘り出し物を探すといっても、2人とも特に道具の骨董的価値や商品の目効きに精通しているわけでは、全くない。ただ、古いものから漂ってくる“存在感”というか、“風合い”が大好きで、特に、革や木、布、銀など、その重ねた年輪が味になって現れてくるような素材のものがとにかく“大好物”なのだ。
宿から数十メートルも行くと、通りにいつもと違う「露店」が並んでいるのがすぐに2人の目に入ってきた。その数はさすがに相当なもので、そういう雰囲気を目当てにやってきている観光客の数もまた、相当である。
見ると、町の外れあたりに観光バスがかなりの数停車しているから、きっとあそこから流れてきてもいるのだろう。普段とは違う活気があふれていて、それはそれで何だか心がウキウキしてくるけど(笑)。

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露天には「見るからに高価そうなアンティーク商品」から、「こんなもの、一体誰が何に使うんだろう…。」と、疑問に思ってしまうような商品まで(笑)、本当に様々な種類の古道具が所狭しと並べられている。
こういう市場的な場所においては、ちょっと高飛車な感じの雰囲気を漂わせている店の商品は大体にして“お高い”から、一応チェックはしてみるものの、「買い物」的にはそれ程期待はしていない。

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逆に、何だかよく分からない商品をごちゃごちゃと並べているようなお店の中から、高飛車商店で見つけた「逸品」と同じような品や、とにかく「自分好み」の道具を根気よく探し出すことが、貧乏旅人である2人にとっての“至福の楽しみ”なのである。そういう店で見つけた商品は、往々にして意外なほど安かったりもするし、そうでなくても結構値下げが効いたりするものなのだ。

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ただ、古道具ってのは、それを気に入った人以外には「何がいいのか」分からなかったりすることも多々あるわけで…
たとえば、この、手のひらサイズの古びた「靴べら」。Jはこれを、とある露店で20ペソ(≒520円)出して購入したわけですが、本人からしたら、この鉄の錆び具合だったり、手のひらに収まるサイズ感だったり、さらには裏面に書かれた当時(1920年代らしい)のBuenos Airesの靴屋の店名なんかが、心にグッとくるわけです。

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まぁしかし、ただの薄汚れた靴べらでしょ…って言われてしまえば、それまででもあり…。
さらに、今回はちょっと奮発して年代物の帽子も買いました。値段は、80ペソ(≒2000円)1930年代にアルゼンチンで造られた「パナマ帽」ということだったけど、形を見ると、現行で売られているパナマ帽とはどことなく違っているような気もする。でも、この形の帽子は他の道具屋でもいくつか見たから、当時のものとしては標準的なものなのだろう。
帽子の裏の革の帯に刻印された文字などが、とても良い。
てっぺん部の裏側には店の名前が書かれた大きな古いワッペンが貼られていて、その褪せ方が重ねてきた年輪を感じさせる。
2人とも被れる大きさだから、共用として使えそうである。またしばらくは、帽子を被って出掛ける日が多くなりそう…かな(笑)。

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