07 February, 09

「さくらんぼ。」

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湖畔を歩き始めて、2時間以上は経っただろうか…。
道は基本的に“車用”に出来ているから、山道をあるくようには気持よく「トレック」は出来ない。でも、路肩の植えられた木々になる実や、お店で購入した美味しいアイスクリームなどの力もあって、ある程度楽しく散歩してくることが出来た。

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道は常に湖畔に沿って伸びているはずだったが、歩いてみると以外とそこから湖自体を感じる事は出来なかった。湖と道路の間には常に“林”が横たわっていて、その木々の向こうにたまに“水”の姿を確認できるかな…という程度だ。
でも、考えてみれば、こうして木々に遮られていることで、湖側からしたら「道路や車などの人工物を見なくて済む」という利点があるのかもしれない。
何事も、見方やその角度次第で、良くも悪くも感じられるものなのだろう。
そんな道則を2時間以上歩いて、2人はようやく「目指すビーチ」へと到着した。
“目指す”といっても、特定のビーチを目指して歩いていたわけではなく、行きのバスから湖畔にいくつかのビーチがあったのを見ていたから、そのどれかにうまく辿り着ければいいなと考えていたのである。そして、まぎれもないそのうちの1つに、2人は今、辿り着いたのだ。午後の日差しは強すぎるくらいで、正直かなり身体は消耗していた。
さすがに水着では来ていなかったが、とりあえずズボンを膝のあたりまでまくって、2人交互に湖の水へと足を沈めてみる。水温は思ったほど低くはなく、これなら確かに泳げるなぁと、思えるくらいの快適さである。…というか、今日の日差しがあまりにも強く、強烈すぎたからかもしれない。

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ビーチチェアーを水際に並べて、のんびりと寛ぐ老夫婦の風景。
その後ろには、楽しげにキャッキャとした声をあげながらお父さんと遊ぶ子供たちの姿が見える。それぞれの楽しみ方で、それぞれのビーチサイドを満喫しているようだ。
太陽は徐々に西の方角へと傾いてきているようだが、日差しの強さはあまりかわらない。2人も、今すぐにでも水着に着替えて水の中へ入りたいくらいだ。

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そんな砂浜の傍らに腰かけて、しばらく周囲のざわめきに目を向けていたのだが、その向こう側にふと目をやると、何やら大きな籠を抱えた若者2人の姿が見えた。
ビーチに座る人々に順番に声をかけながら、その籠の中の“何か”を見せているようだ。
「何だろう…。」
興味津津で待ち受けるJとM。そして、ようやくやってきた彼らの持つ“籠の中身”を見せてもらうと…なんと、そこにはこんなに美味しそうな“チェリー”が入れられていたのである。

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ビーチで、チェリー。
何とも、嬉しい組あわせ。1パック5ペソだから…今のレートで130円くらいかな。
早速購入し、その場でパクパクと食べ始める。
美味い。果汁が甘くて、実も柔らかい。ブラックチェリーはたまに見るけど、この色のチェリーは久々に見た気もする。自家菜園か何かだろうか。
食べ始めるともう止まらなくって、あっという間に容器の中は空っぽになってしまった。途中で犬たちが、匂いにつられたのか「のそりのそり…」と近づいて来たけど、あげる余裕もなかったくらいだ。

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いや、1個あげてはみたけれど、何だか奇妙な物を見る目で無視されてしまったという…(笑)。容器の中に他には何もないのを知ると、犬たちはいつの間にかどこかへと消えていってしまった。
そんなチェリーを食べられたことで2人とも何だか気分が随分と落ち付き、ゆっくりと立ち上がるとどちらからともなく「…そろそろ、行こっか。」ということになった。
近場のバス停まで歩き、そこで数十分後に来たバスを拾って、来た道と同じ道を町へ。
結局今日も、よく歩いたなぁ。

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