07 February, 09

「Nice View, but…。」

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Bariloche(バリロチェ)2日目の、午後。
バリロチェは、その正式名称を「San Carlos de Bariloche(サン・カルロス・デ・バリロチェ)という。先日の“Ruta 40バス”の添乗員である「好青年」の話によれば、その昔、この地に最初にやってきた“ドイツ人”の名前がその由来となっているらしい。

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しかし、その後19世紀には沢山の“スイス人”たちがこの町に移住してきたようで、通りのあちこちにはスイス風の家々が建ち並び、周囲の景観の見事さもあいまって「南米のスイス」とまで言われるようになった…と、ガイドブックに書いてある。
そんな別名が本当に的を射ているのかどうか、その辺りを探る意味もあり、とりあえず今日は素敵な景色をお手軽に堪能できる近場のミラドール(展望スポット)へと向かってみた。「Cerro Companario(カンパナリオの丘)」という場所で、市内からはバスに乗って約30分くらいの距離だ。
今日もあいかわらず空は青く、昨日にも増して雲が少ない。ひらけた場所で頭上を見上げると、「真っ青だぁ」と言えるくらいの気持ちの良い晴れ間が広がっている。
こうしてみると、空の青さが、南部パタゴニアのそれとは少し違ってきたかもしれない。
周りに広がる自然の違いが、その色の違いを創り出しているのだろうか…。
バスが来た。本数が少なく、それでいて利用客の多い“カンパナリオ行き”の路線バスは車内いっぱいに観光客を乗せて、湖沿いの気持ちの良い道を西へ向って進んでいく。
そして、ほぼぴったり30分後、バスは目的地の停留所へと到着した。
しかし、そこで降りた“観光客”は、2人が思っていたよりもかなり少なかった。
「どうせたくさん降りるんだろうから、どこで降りるか知らなくたって現地に行ける」と簡単に考えていたのだが、実際はバスの運ちゃんが親切に大声で叫んでくれなければ、通り過ぎしまっていただろう…というくらいに、本当に降りる客が少なかったのだ。
そんな少ない同士たちと共に、近くに見える「リフト乗り場」へと移動する2人。

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チケットを購入し、次々と巡ってくるリフトにタイミングを計って乗り込む。たまたま目の前でリフトに乗った客が、日本人のカップルであったことにビックリ。向こうは南米を4か月で巡る旅の途中らしいが、出発して2週間目で「初めて日本人に会った」と言っていた。JとMの体験的には“南米には日本人は意外と多い”というのが実感だったが、ペルーから入って今まで1度も日本人に会わなかったというのは、逆に珍しいような気もする。
そんな2人の後を追うようにして、リフトは途中で何度も止まりながら、一応順調に丘の上へと進んでいった。そして…

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頂上からの景色を見て、「南米のスイス」の意味をようやく理解したような気がした。
一昨年、実際に2人がスイスを旅したときに感じたのは、信じられないくらいに整然とした、見事すぎるくらいの自然の美しさ、であった。
これは、それとはまた全く別物の“美しさ”ではあるが、青々と茂った森と水の織りなす自然の風景に驚かされるという意味では、ここBariloche(バリロチェ)は確かに“スイス的”であると言えるのかもしれない。
整備された展望フロアーに並べられた椅子に座って、眼下の景色にしばし見惚れる。

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確かに、とてもきれいな風景ではあるのだが、こうして簡単にリフトに揺られて登ってきた「Mirador」に座っていると、何だか少し“物足りなさ”の様なものを感じるのはどうしたことだろうか!?
結局のところ、ここまでパタゴニアで様々な“面白トレッキング体験”をしてきた影響で、“自分の足で稼いだ景色”に、より大きな魅力を感じるようになってしまったのかもしれない。こうも簡単に「目的地」に到着してしまうと、逆にどうしていいやら、何だか分からなくなってしまったりして…。

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そんなわけで、思いのほか淡泊な“見学”を終えると、先ほど出会った日本人カップルより一足お先に麓へと戻ることにした。
帰りのリフトは、正面に美しい湖とその周辺の景色を見ることが出来るのが気持ちいい。
時間はまだまだ早いことだし、降りたら湖畔を町に向ってしばらく歩いて“散歩”してみようかねぇ…。

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