07 February, 09

「Bariloche。」

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Bariloche(バリロチェ)の町に着いた、その翌日の朝。
AM8:00に起きて宿の朝食を食べ終えると、そのままの姿で町歩きへと出かけた。

空はよく晴れ、薄い雲がオブラートのように青い空の表面を包んでいる。気持ちの良い平日の午前。通りを行き交う人もまばらで、街全体に清々とした印象を受ける。
初めての町の、初めての日…だから、色々と見てみたい場所はあったのだけれど、とりあえず向かったのは「1004」という名のHostelだ。
ここは、以前ブエノスアイレスに滞在していた時に、「林夫妻」から進められていた宿で、名前の数字がJの誕生日と同じである事もあってかなり気になっていた場所なのだが、あいにく、事前に電話をかけたら「満室」のため予約がとれなかったのである。

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なので、初日(昨日)と今日はとりあえず別の宿に部屋を確保することになったのだが、明日以降の空室状況をもう一度確認してみたくって、朝から直接、その現地を訪れてみる事にしたのだ。
宿は、古いビルの高層階にある。「1004」という名前は、その部屋番号「1004(10階の4号室)」に由来しているのだ。
エレベーターで目当ての階に到着して、その番号が書かれた扉のベルを鳴らすと…
電子ロックのKEYが解錠され、バタンという音と共に向こう側へとドアが開いた。
入口を入ってすぐのスペースは受付カウンターと共用ロビーのようになっており、並べられたソファーには数組の西洋人客が寛いでいる姿が見える。
ソファーの向こう側には、外に向かって設置された大きな窓が壁一面にあり、その外側には空の鮮やかな水色と、眼下に見下ろすBarilocheの町が一遍に見渡せる状況がある。
ビルの高層階だからこその、他ではあまり味わえない“絶景”だ。

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そんな絶景を気にしながらも、まずは目の前の受付カウンターへと直進していき、座っている女性に声を掛けた。
「あの…、明日の空き室状況を確認したいんですけど…。」
いいながらも、窓の外に広がる風景が気になって仕方がないJ。今にも鞄から愛用のカメラ“Leica D-Lux 3”が出てきそうな勢いである。
しばしの沈黙のあと、その老女から発せられた“答え”は
「ごめんね、明日も明後日も、今は満室状態なのよ…。」
仕方がない、それじゃぁ宿の内部を見学だけでもさせてもらえますかと尋ねると、これには快く承諾の返事を返してくれたのであった。

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良く整理された広めのキッチンを通り抜け、避難口のような窓をまたいで外側に伸びる広めのバルコニーへ。そこには何脚かのリゾートチェアも用意されていて、寛ぐ事も出来る環境なようだ。手すりに寄りかかりながら眼下に見える町の様子を眺め、そこを行き交う人々の小ささに驚く。目の前には“ウアピ湖”の真っ青な水面が静かに、キラキラとした姿で広がっている。今だ、気持の良い1日は続いているようである。
景色は十分に堪能したが、部屋の件に関していえば、結局この訪問は“空振り”に終わったようだ。仕方がない、今の宿で宿泊予約を延長して、明日からの滞在に備えるしかないだろう。とはいえ、今の宿にしたところで部屋はとても過ごしやすいから、それならそれで、満足感は十分に得られるのだけれど。Bariliche(バリロチェ)は有名な観光スポットなだけあって、宿のレベルは全体に高くなっているようだ。
方針が決まると、あとは気楽な気分を取り戻して、初めての町の通りを歩きまわる。
メインストリートにはお土産屋さんやチョコレートショップ、ちょっと高そうなカフェやレストランが所狭しと並んでいて、パッと見には「おっ、」と思わされる雰囲気もあるけれど、結局はすぐに見る場所がなくなってしまった。どこも同じような商品ばかりを扱っているし、値段は完全に“欧米人向け”の観光価格になっているから…。
これだと、食事も自炊に頼る事になるだろうけど、今日は2人ともどうも身体がだるくって、今から炊事に精を出す気分にならない。どうしようかと悩んでいると、町から宿へと帰る途中の通り沿いに1軒の「ハンブルケッサ屋」を発見した。
ハンブルケッサとは、スペイン語圏では「ハンバーガー」の事である。そいつを扱う店というのは、地元向けのファーストフード屋ということになるのだが、ここはいい具合に地元風の客が押し寄せていて、シンプルフードではあれどその“味”には期待が持てそうだ。
色々なメニューがあったけれど、2人は一番シンプルで安めな「ハンブルケッサ・コンプリート」を注文した。どの店でも、“Complete”と名のつくものには基本的にレタスやトマト、チーズやハムが肉と一緒に挟まれいていて、そうじゃないものは本当に「肉だけ」が挟まれた超簡単シンプルな造りのサンドイッチとなる。
それにしても…今回のハンブルケッサは、いつものそれとは微妙に、しかし確実にその“佇まい”が違っていた。
肉が、つまり、ハンバーグいうか、“パテ”の部分が、カツレツのように挙げられているのだ。この歯触りが、なかなか素敵である。いや、美味い!!もう一個!!??

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