02 February, 09

「小さなピクニック。」

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Fitz Royでのキャンプを終え、ここから今度は「Ruta 40」という、アルゼンチン版「ルート66」的なHistoric Roadを通って、美しい山と湖に囲まれた町「Bariloche(バリロチェ)」へと向かうのだが…

そのバスの予約を確認したら、次は5日の便まで待たないと空席がないという状況であるらしい。特に急ぐ予定もないが、思いがけずこのEl Chalten(チャルテン)でゆっくりとする時間ができてしまったことになる。
そうなると腰を据えてのんびりしようと、宿の予約延長を頼んだのだが、今日までお世話になってきた「Albergue PATAGONIA」は明日以降空きベッドが全くないらしい。
とりあえず今日は泊れるけれど、仕方ない、明日以降の寝床については、もう一度どこか探し直すしかないか…。

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宿の庭から空を見上げると、今日もEl Chaltenはどこまでも気持ち良く晴れ渡っている。
そろそろ“トレッキング疲れ”が身体に溜まってきているはずなのに、こういう空を見せられると何だかどうも、「歩かなきゃもったいない」という気分になてしまうようで…。
気がつくと今日もトレッキングシューズを履いて、山の方へと歩き始めていた。
町のスーパーで買ってきた、パンとコーヒーをリュックに詰め込んで軽い“ピクニック”といった感じか。この辺りのトレックルートはどれも片道2~3時間のお手軽ルートだから、日帰りでも十分楽しめてしまうのである。

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2人の目当ては、昨日行くのをやめてしまった「Torre湖」だ。
Fitz Royに向かった時とは別の登山口から山へ入り、なだらかに続く丘を登り始める。眼下に見えるEl Chaltenの町が、緑の山々と空に囲まれて、何だかとても可愛らしく見える。
空には今日も大きなコンドルが浮かんでいて、それはどうも、「飛ぶ」というよりも「漂っている」といった方がしっくりとくる感じだ。その姿はとても優雅で、なんとも趣のある風景である。

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そんな穏やかな自然の中の長閑な散歩道であったが、いざ、歩き始めてみると、やっぱり2人とも「ひざ」に爆弾を抱えている事が判明してきた。しかも、Mに至っては、どうも“風邪のひき始め”的な兆候すら見受けられるのだ。こんなに良く晴れた絶好のトレッキング日和なのに、どうにも身体が重たくって、思うように前へと進んでいかない。
そんな中で迎えた、このルートでの最初のMirador(展望スポット)。

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1時間も歩いていないけど、とりあえずひと休みしながら不意に、ひとこと…

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「もう、今日は、ここまでって事にしておこうか…。(J)」
「そ、そうだね、ここでも十分、いい景色だもんね~!!(M)」
…結局、今日も、Torre湖に辿りつく事はなかった。ここまで来ると、相当に“縁がない”のかもしれないなぁ、Torre湖とは。
来たのと同じ草原の畦道を、町へ向って戻り始める。
Patagoniaの夏の太陽の日差しが、それぞれの首筋を焦がしていくのを感じながら、2人の思いがけないほどに“小さな”ピクニックは静かに終了したのであった…。

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