27 January, 09

「Prito Moreno。」

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フェリーに乗って対岸まで移動してくると、降りたその先に山小屋の様な建物が待ち受けていた。
そこが今回のTourの出発基地とでもいうような場所で、ここにきて案内役も“陸上用ガイド”から“氷上トレック専用”のガイドにかわる。

参加者はここでそれぞれの装備をチェックされることになる。手袋を持っていない人はここで貸してもらえるし、十分な大きさのバックがない人はやはりこの場所で貸してもらえるのだ。
因みに2人もこの“括り”に入っていて、Jは今日に限っていつも使っている手袋を宿に忘れてきてしまい、Mは「バッグが小さすぎる」と、おもむろに取り換えられてしまった。
バッグが小さいって…何のために「デカさ」が必要になってくるんだろう.…。
この時にはその意味が上手く聞き取れなかったのだが、あとになってなるほどと思った。

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つまり…これが3時間の“短めトレッキング(400ペソ)”であれば、氷上への入口は湖畔から比較的近い場所にあり、参加者はその場でアイゼン(氷上用のスパイク的履物)を履いて氷の上へとエントリーしていくことになる。しかし…。
今回2人が参加したのは、「BIG ICE」というTour名だけあって、6時間というロングバージョンのトレッキングプランになっている。この場合、エントリー場所が湖畔の辺りからかなり渓谷側に入り込んだ場所にあって、つまりはそこまで個人個人が、自分で自分のアイゼンを運ぶことになるのである。リュックのでかさは、そのアイゼンを入れる為のものだったのだ。いやいや、そういうことですか…。

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その大きなリュックをMが背負い、湖畔の砂地をアイゼン屋に向けて歩いている途中、氷河の、湖に面したあたりから、地響きのような音が聞こえた…と思ったら、いきなり崩れた氷河の表面が、物凄い飛沫を上げて湖の中へなだれ落ちたのである。荒れた湖面が一瞬静まり、その後、大きな波となって一行のいる湖畔へと押し寄せてきた。
「みんな、高いところへ移動するんだ。」
指示された通りに避難すると、その後まもなく、低い位にある砂浜に大量の水が覆いかぶさってきたのである。間一髪。それにしても、あんな1部分が崩れただけで、こんなに大きな波が出来てしまうんだ…初めての事に、2人ともかなり興奮してしまった。

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その先の、湖畔近くのアイゼン貸屋で自分のサイズのアイゼンを選んでもらい、それをリュックの中に入れると、一行はまず“陸上”をトレッキングし始めた。この歩きが、片道でだいたい1時間くらいか。道は、常に右手にPerito Morenoを見ながら“氷河の奥方面”へと伸びていっており、起伏はそれ程ないものの、砂利が散らばった表面がどうにも歩きにくい。ブーツを履いていてもなお、斜面ではズズッズズズ-ッと滑ってしまう事が多かった。

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40分ほど歩いた辺りに、再び何か、常設されたテントの様な物が見えてきた。近づいて行くとこのテントの廻りに「ハーネス」と呼ばれるふんどし型のベルトが用意されていて、参加者は皆、この場所でガイドによってこの「ハーネス」を装着させられるのである。どうも、これが“命綱”的役目を果たす場面が氷上のどこかであるようだ。
このテントを通り過ぎると、もうすぐそこが氷へのエントリースポットであった。
…といっても、特別何かがあるわけでもなくて、あえて言えば、横たわっている木に腰かけるとアイゼンを装着しやすいというくらいか。

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このアイゼン装着作業も、やはりガイドの皆さんが手伝ってくれる。10人ほどのTour客に対して、ガイドの数は総勢4人。なかなか人件費が掛っているようだ。これも、氷の上での危険回避のためか…。Tour料金が高くなるのも、しょうがないのかもしれないなぁ。
まぁ、そんなわけで、全員揃って「アイゼン」装着。ガイドの人たちはこの器具を「クランボン」とかって呼んでいた。どういう綴りだろう、未だ分からず仕舞いですが。

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