22 January, 09

「やればできる。」

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ひとまず、辿り着いた「Refugio y Campamento Chileno」のロッジの中でお湯をもらってコーヒーを作り、日だまりの中のテーブルに腰かけて一息つく。

ここは宿泊施設も兼ねたロッジだから、多少のキオスク的なお店が受付に併設されているのだが、売っているのはクッキー2種類と飲み物類のみ。欲しいのは“メシ類”だったんだけどなぁ…。受付の奥のキッチンスペースで、女性がパンを焼いているのが見える。あれは売ってもらえないの!?…訊ねてみるが、そっけなく「No。」と返されてしまった。
ロッジ宿泊客の夕食用であるらしいが、そんなにそっけなくいわなくてもいいのに…。
そんなやりとりをしている内に、何だかこのCampamentoに泊る気持ちが薄れてきてしまって、徐々に「今日の内にCampamento Torresまで。そして、明日の早朝にTorresで朝日にそまる岩峰を見て、この長かったトレッキング生活を締めくくる…」という、にわかに湧いて出てきた“案”の方に2人の思いは傾いてきていた。
暖かいコーヒーが、疲れた身体に元気を取り戻させてくれたっていうのもある。こういうとき、1杯のコーヒーが与えてくれる力というのは絶大なのだ。
そうと決まれば、動き出すのみ。こうして休憩している間にロッジの電源を借りて、カメラのバッテリーもある程度充電させてもらったし、クッキーやドリンク・卵なども補充が出来た。ここでの用は全てもう、済んだ。
最後にトイレでそれぞれの“用”を済ますと、山陰に日が隠れたことで薄暗くなってきた渓谷の山道を歩き始めた。
時刻はPM6:30。日の入りまでは、それでもまだまだ十分時間がある。

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ロッジのすぐ脇を流れている川沿いにしばらく“川上”へと歩き続けると、川の反対サイドに渡るための丸太で出来た橋が出てきた。これを渡ったその先からは、しばらく起伏の激しい山道が続いて行くことになる。元気が戻ってきたとはいっても、こうして厳しい上り坂を歩いていると、すぐに身体の動きが鈍くなってきてしまう。こういう時は、この先で待っているはずの“楽しいこと”を考えるしかない。
「2時間後には、飯が食える。卵を絡めたチーズパスタだ。う~ん、美味そう。ビールとコーラも買ってあるし。あと2時間、あと2時間…。」
呪文のように、2人してそう唱えつづける。
結局はメシこそが、こういう場合には最大の楽しみであり、パワーの源なのだ。

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夕暮れ時の森の中は、薄暗さが神秘的な雰囲気を作り出していて、疲れてさえいなければここはとても素晴らしいトレイルだなぁ、と思う。
時折木々の向こう側に見える山の稜線が美しい。標高が少し上がってきているからか、周囲の空気が昼間よりも張りつめた“冷たさ”を感じさせる。
行き交うトレッカーも、ごく僅かだ。そんな人々が向こうから「写真、撮ってあげようか?」
なんて声をかけてくれるから、嬉しくなって記念撮影をお願いしたり。山の中では、人はみんな親切で、やさしい。

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日が益々傾いてきた。そろそろキャンプに到着する頃だろう。飯を食って、ビールを飲んだら、あとはもうグッスリ眠って明日を待つだけだ。
明日も晴れて、朝日がバッチリ見れればいいけどなぁ…。

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