22 January, 09

「金色の草原。」

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今日は本当に天気の良い日だ。
午前中から照り続けている太陽は午後に入ってますますその威力を強め、辺りは「これぞ夏」っていうような素晴らしい陽気に包まれている。

考えてみると、事前に聞かされていたような「パイネらしい」変わり易い天気に遭遇したのは、初日のGrey湖周辺でのみだった気がする。
その後は夜を除けばほとんど雨に降られることなく、快適なトレッキングを楽しむことが出来ているのである。これは、結構幸運なことなのかもしれない。

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さて、5日目のトレッキングもいよいよ終盤を迎え、広い大地を横切るトレイルは徐々に斜面を掛け上り始めている。この日差しの中でバックパック担いで坂道を登るのは、正直かなり辛い作業である。朝の寒さに2人ともタイツまで履いてきているから、暑さで体中から汗が吹き出し、体温がみるみる上昇していくのがわかる。
でも、そういう時には少し立ち止まって休憩すると、吹き抜ける風の心地よい冷気に身体が冷やされて、上手く温度調整がとれるのである。本当に、晴れた日のパイネは、トレッキングするには“ちょうど良い”気候であると思う。

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草原を行く道の途中、お花畑のように綺麗な花が咲き乱れる場所を通り抜けた。白い小さな花が小川の傍に密生していて、何だか物語の世界にでも迷い込んだような気分になる。
こういう素敵な景色のところでは、いつでも荷物をその場に下ろしてそこの風景を出来るだけ満喫するように心がけている。時間はいつでもたっぷりあるし、急ぐ理由もそんなには、ない。しかも今日はこんなに晴れ渡った、パタゴニアの素晴らしい日なのである。
多少移動に時間がかかったって、そうして立ち止まりながら進んだ方がトレック自体も楽しいものになる気がする。

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そんな花畑を越えた頃辺りから、道はますます急斜面に突入していき、少し歩いただけで息が切れるような厳しい坂道が続いて行く。同じ道を行く別のトレッカーたちが休憩している横を通り過ぎては、こちらが休憩している間に今度は向こうが追い抜いて行く…というやりとりの繰り返しだ(笑)。何だか腹も無性に減ってきた。オヤツをもっと買っときゃよかったなぁ。

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道の途中に咲く植物も場所によって色々と種類が違っていて、この日の山道ではこんな色をしたベリー系の植物を多く見かけた。
これ系の実はPatagonia全域で非常に良く見るものなのであるが、場所によって微妙に大きさや色が違っている様にも見える。因みに“カラファテ”という名のこれ系ベリーはジャムやアイスクリームなどに良く使われていて、甘さ控えめな酸っぱみのある味がなかなか病みつきになる美味しさである。これを食べると「Patagoniaに帰ってきた」と思うくらいに、この辺りでは有名な“味”のひとつであるらしい。

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そんな植物観察を楽しんでいる内、ついにこの「W」ルートの最後の1辺にあたる渓谷の入り口部分に辿り着いた。
高い位置に造られたトレイルから見る、渓谷の全容がとても美しい。
この向こうに、キャンプサイト「Chileno」はあるのだ。全く、なかなか本当にこの約13kmは長い旅路だ。数字以上に身体にこたえる。

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ラストスパートで両足のエンジンを全開にして、立ち止まることなく前へと進み続ける。そして、夕方6時前になって目的地「Chileno」に到着。
明日訪れるつもりであるパイネ最大の名所「Torres del Paine(パイネの三本槍といわあれる岩峰)」まではここからでも3.5時間くらいだが、もう少し奥に入っていけば、無料キャンプサイトの「Campamento Torres。」がある。そこまで頑張って今日の内に移動してしまえば、そこからTorres del Paineまではものの1時間程度。
朝の暗がりの中で駆け上がれば、朝日に染まるTorresを見ることが出来るかもしれない。
しかし…ここまでの道のりで、2人ともかなり疲れてしまっているのも事実であり…。
う~ん、どうしようかなぁ…。

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