「準備中。」
昨日、Punta ArenasのペンギンTourで知り合ったカナダ人夫&日本人嫁の中年カップルと再会。彼らは既にパイネのトレッキングを終了していて、今回は旅のルートの途中でこの町に立ち寄っただけらしいのだが、話を聞くと、何と14日間もかけて“W”といわれる最もポピュラーなトレッキングルートを巡ってきたらしいのである。
通常、若い人たちの足で考えれば5日前後で歩き切るルートであるようだが、彼らの場合は年齢的な問題の他に、「晴れの日以外は動かない」という作戦のもとに行動していたため、このような長い旅程になったということであるようだ。
更にはそんな2人から、「Erratic Rock」というHostelで毎日3時から開催されているトレッキングに関する講習会に参加してみたらどうか、との勧めを受けた。
自由参加で、参加料は無料。講義は全て英語でやってくれるらしくて、彼らもこの講習会に参加して、とても実践的な知識を得ることが出来たのだという…。
そんなわけで、JとMも今日の午後3時からこの「講習会」に参加してきた。
講習室は宿のロビーというか、廊下というか、本当に“ちょっとした広がり”的スペースで、時間前にはもう、座りきれずに立ち聞き客が出るくらいの超満員状態。
そんな中、ヨーロッパ人(どこの国かは不明)である“先生”の話は終始、面白可笑しく展開していき、話の合間合間にとても“実戦的な”トレッキング術を交えてくる。
パイネの魅力や楽しさ・怖さに至るまで、様々な知識を教えてもらうにしたがって、2人の中で思い描いていたパイネでのプランも、徐々に変化していくことに…。
基本的に、園内への入場料は1律1人15000ペソ(2200円くらい)。入ってしまえば何日そこに滞在しようが追加料金があるわけじゃないし、もし“キャンプ”という宿泊方法を選んでしまえば、テントや寝袋のレンタル料金にキャンプ場使用料を加算しても町で生活するより節約になりそうだ。だったら、わざわざ高いTourに参加してパイネの魅力の1部分だけ見て終了にしてしまうよりは、ガッツリその大自然の懐に抱かれてワイルド・ライフを満喫した方がよっぽど楽しそうではないか。
時間だって、2人には何の制約もないのである。こんな恵まれた状況の中でパタゴニア・パイネに来ることが出来る機会なんて、そう滅多にあるもんじゃないだろう。
しかもしかも!!?このErratic Rockにて、なんとJがその不安な足元事情(テニスシューズしか持ってない)を解決する“マウンテン・ブーツ”を無料で頂いてしまったのである。
この宿には、宿泊するトレッカーたちがその都度置いて行ったり捨てていったりしたような靴が何足もストックされていて、サイズさえ合えばそいつをタダで譲ってくれるという何とも素晴らしいシステムが存在していたのだ。
さすがにMの小さな足に合うサイズはなかなか見当たらなかったのだが、Jについては多少大きめだが、比較的自分の趣味に合う1足をその場で譲ってもらう事が出来た。トレッキング用というよりは、何だか軍用ブーツみたいな品ですが…。
こうなってくると、俄然やる気がみなぎってくるのも仕方がないことである。それを見ていたMはMで、「私も山用の靴買いに行く!!」と、妙に張り切り出してしまった。
トレッキングは今までの旅路で何度となくTourに参加してきたわけだし、そろそろ「自律」して自分たちで歩き始めてもよいじゃないですか。よし、行こう、あの山の向こうへ!!
Erratic Rockお勧めのトレッキングルートを考慮しつつ、色々と検討した結果「5泊6日」でパイネの“W”ルートにチャレンジする事を決意した2人。
今は天気が不安定だし、今日の明日では準備が終わりそうにもないから、出発は明後日という事に決定。講習会終了後にはあっという間にMが自分用のトレックブーツを選び、そいつを片手に意気揚々と宿に引き上げてきたのであった。
(といっても、実際にはかなり迷いに迷って限られた商品から選んだ品ですが…。)