「ペンギン村。」
Punta Arenasの港を出発したフェリーはその後マゼラン海峡を北に向かって2時間ほど進んでいき、船の中の気持ちの良い暖かさと揺れに2人が少し眠気を覚え始めた頃になって、ようやく目的の島へと到着した。
Isla Magdalenaという名のその島は島そのものが丸々ペンギンたちの住まいになっているようなところで、フェリーを降りる前から既に、島の地面を埋め尽くすように佇むペンギンたちの姿に、まず初っ端から圧倒されてしまう。そして、期待に胸を膨らませながら島の一端に停泊したフェリーを降りると、そこからもうすでにわんさかと群がった可愛らしいフォルムの彼らが、Tour客たちの歩こうとする行く手に立ちはだかってくるのである。因みに、彼らの種別は“マゼランペンギン”といいます。
島に降り立つTour客は、一応決められた遊歩道のような通路を通り抜けつつ、周囲に生息するペンギンたちのオモシロおかしい生態を観測する事になるのだけれど、そこに住んでいるペンギンたちにとってみたら、どこが遊歩道でどこがそうじゃないかなんて全く関係がない事なわけで…気が付くといつの間にか、遊歩道の真ん中をペンギンたちが大行進してしまっていたりするのである。
それにしても、ペンギンたちの動きやら“カタチ”って、本当に可愛らしいものです。
特に子供のペンギンたちは産毛が身体中を覆ったままの状態だから、ホワホワとした見た目が触らずとももう、とにかく気持がイイ。
「お触り禁止令」がガイドから出ているからスキンシップ的なお戯れは出来ないことになっているのだけれど、それでも十分なくらい“間近”で彼らを観測できるし、とにかくこの数っていうか、量っていうか、島を埋め尽くした黒い蠢きの迫力がもう、スゴイ。
個々に見ていると可愛らしいペンギンたちも、こうして大量の蠢きとして見せられると、何だか「す、スゴイね、これは…。」と、その後はもう、とにかく絶句するしかなくなってしまうのである。島にはペンギンの他にも海鳥たちが生息していて、それぞろが特に喧嘩するようなこともなく仲良く暮らしている様である。
そういや、ペンギンも一応、鳥は鳥なんだよね…と、そこでようやくふと思い出させられてしまった。ピョコピョコとコミカルに歩いている様子を見ていると、大空を自在にはばたく鳥たちと“同類”とは、どうにも考えられないもんなぁ。
Mもペンギンと同じようなカラーの服を身にまといつつ、ペンギンのようなピョコピョコとした動きで果敢に彼らの近くへと歩みよっていく。そんな場面を、また写真におさめるJ。
それでもちょっと油断をしているといきなりケツから「糞」を噴射してきたりするので、そういう攻撃をつぶさにかわしていく為にも一定の距離は保たなければならなかったりして(笑)。こういう距離は、緊迫感のある場面でもあるわけです。
ある“家”では、親ペンギンが子ペンギンたちに海から捕ってきた餌を与えてやったりもしている。子ペンギンたちは大体が自分の家から大きく離れてしまう事もなく、ぬくぬくと快適に暮らしているようだ。
ペンギン村は、今日もとっても平和な雰囲気の様です。