04 January, 09

「化石の森。」

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化石の森。そう呼ばれる場所に行くというのが、この町(Comodoro Rivadabvia)に来たただ唯一の目的である。

本当は朝一番でそこへ向かいたかったのだが、今日が日曜日であるためにバスの本数が平日よりもだいぶ減ってしまっており、結局そこへと向かうバスに乗る事ができたのは昼飯後のPM1:00になってから。天気は相変わらず穏やかな快晴で、風も全く吹いてくる気配はない。

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バスの窓から見える外の景色はどこまでも平坦で、北側の町にいた時よりも空が大きく感じられる。
コモドロリバダビアから化石の森へ行くのには、まずバスで2時間かけてSarminentoという町まで行き、そこからは残りの40kmをタクシーに乗って移動することになる。
なので、この日最終的に2人が目的地へと到着した時には、時刻は既にPM4:00を廻ってしまっていた。現地での観光時間は約1時間半が相場のようで、その間は連れて来てくれたTAXIがその場で待ってくれているシステムだ。どうせ2人はPM7:00の最終バスでコモドロまで戻らなくてはならないから、時間的にはそれで十分。
TAXIを降りて入口でNational Parkへの入場料20ペソ/1人を支払うと、さっそくそこに広がる不毛な荒野を歩き始めた。

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化石の森と聞いて、人は普通どういう風景を想像するだろうか。“様々な化石が森のようにたくさん集まった場所”か、それとも“化石化した森林の広がる風景”か…。
答えはそのどちらでもなく、2人の目の前の荒野のあちらこちらに転がっているのは、大昔に倒れて朽ち果ててしまった木々の、そのままそれが化石化したものである。
つまり、見た目には明らかに「木」であるものが、触るとまさに「石」そのものなのだ。

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石であるからその重さも相当なもので、小さな木端を拾っただけでも結構な重量感がある。大きなものになると、押しても引いてもビクともしないくらいだ。
周囲の荒涼とした風景もかなり印象的なもので、その大地に無造作に転がる木々の化石を見て回るのはなかなか楽しい。
だが…正直、これは2人が事前に思い描いていたものと、どうにも微妙に食い違っている部分があるのだ。何が違うのか。それは、その、大地に転がる木々の化石の“大きさ”について、である。

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2人はこの化石の森のことを前出の「でか足国探検記(椎名誠著)」の中で知ったのであるが、それによれば、化石の森に転がる木々の大きさは、その直径が2mから3m。古代の巨大木「ナンヨウスギ」がアンデス山脈の造山活動により起こった地震・ハリケーン・大洪水などによって倒壊し、そこに降り積もった大量の火山灰に含まれるシリコンと洪水の水の中に含まれていた無水珪酸によって数万年の歳月をかけて徐々に化石化していった…ということであるはずだった。

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しかし、ここで2人の目の前に転がる木々の大きさは、どんなに巨大なものでも直径は1mほどでしかない。1mと3mではイメージが随分違うのではないか…。
この場所に関しての数少ない情報をもとにここまでやって来たのではあるが、結局のところ、これはどうも来るべき場所を間違えてしまったらしい。
実は「化石の森」はこの辺りに2ヶ所存在しているのだが、2人が本当に行きたかったのはここではなくて、もう1ヶ所の方であったようなのだ。
まったく、そのことについては2人とも最初から不安はあったのだ。しかし、コモドロのTourist Informationで本に載っている写真を見せたところ、「それはこのSariminentoの化石の森に違いない!」と胸を張って言われたのである。
実際、地図上ではもう一方の化石の森の方が大きく取り上げられていたから、
「もう一方の方が大きな森なんじゃないの!?」
と念をいれて確認してみると、
「いや、Sariminentoの方が大きい。」と係りの女性が言い切ったのだから、もうこっちに来るしかなかったのである。しかし…。
これはもう、見るからに思ったよりもスケールが小さいし、本の写真とも随分と違っている。騙された!?瞬間的に、思わずそう考えてしまった。
しかし、だからといって、どうするべきなのか!?2人は既に、明日のウシュアイア行きのバスチケットを手配してしまっているし、もう一方の「化石の森」へ行く時間など、実質的に“無い”状況なのだ。
どうしよう、バスチケットを延期するか…でも、前に別の場所でバスを延期をした時には料金が7割くらいしか返ってこなかったしなぁ。延泊すれば、高い宿泊料金もそれだけ更に掛かってくるし…。
う~ん…もう、しょうがない!ここだって「化石の森」であることに間違いはないし、これはこれなりにかなり楽しかったし…。
結局ここでも2人でお互いの気持ちを納得させ合いながら、この「化石の森」企画を“成功”と見なすことにきめてしまった。
入口で持ち出し禁止と言われた化石の破片もこっそり持ち帰って来れたことだし(笑)。
どう見ても木の欠片にしか見えないそれは、大きさにして縦10cm横5cmくらいのもの。それでも手に持つとずっしりとした重さを感じる事が出来る。
帰り際にはチケット事務所でボディーチェックもあったのに、どうして持ち帰ることができたのか…。その答えについてのヒントは、まぁ、「カツシン」ですかね…。

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