20 January, 09

「Grey湖畔。」

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パイネ国立公園、トレッキング生活3日目。
7時に合わせたアラームの音で起きると、そのままテントの中でガスに火をつけ、沸かしたお湯でスープを作った。

そいつを飲みほして室内を片付け、着替えを終えてしまうと今度は、「渋々」というような雰囲気を漂わせながら、まずはJがヒンヤリとしたテントの外の世界へ…。
続いてMも。昨夜はいくらか雨が降っていたようだったが、朝方になってどうやらそれも止んでくれていたらしい。山の朝が寒い事には変わりはないが、起きてテントを片づける気にはさせてくれるに十分な天気である。降り注ぐ太陽の日差しが眩しい。
廻りのテントでは、昨日の2人のように“今だ眠りの中”にある人々も多いみたいで、外に出て身支度したり朝飯を作ったりしている人の数は思ったより多くはないようだ。
音を立て過ぎないように気を付けながらテントをたたみ、荷物をまとめて2日間お世話になった「Refugio Grey」をあとにした。

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時刻は8時半。初日に4時間かけて歩いたGrey湖畔の道程を、Refugio Paine Grandeまで今日の午前中の内に戻り、そこから午後には「W」の真ん中の“辺”にあたるルート「Valle del Frances(フランセス渓谷)」の起点となるキャンプ地「Italiano」を目指す予定だ。
服装は、昨日・一昨日と全く同じ。
これもやはり、2人がパイネに出発する前、「Erratic Rock」という宿で開催されたトレッキング講座を聞いて「え、そうなんだ!?」と驚かされた荷造り術の一つなのだが、彼の言うところによれば、ことパイネにトレックしに行くに当たっては
「服は、山を歩くとき用が1セットと、眠る時に着る服1セット、それだけで十分だ。それ以上の“予備”的な服は、荷物を重くするだけ。これは、君たちのパイネ滞在予定が2日だろうが、5日だろうが、10日だろうが全く変わらない…。」
ということなのである。2人は山生活初心者だから実際これが通常の考え方なのかどうかは分からないけれど、普段の2人の荷物の造り方では、常に靴下や下着は“予備”を持っていたい主義であった。濡れた時や臭くなった時、着替えられるようにと思うから…だが、それに対しても彼の言葉を借りれば、
「パイネの天気は変わり易い。トレッキング中は、服は常に濡れる可能性を伴うだろう。でも、大丈夫。雨の後には必ず晴れが来る。晴れれば太陽が濡れた身体を乾かしてくれるし、風が水分を吹き飛ばしてくれるだろう。それでも最終的に濡れた状態でキャンプに到着したら、その時はバックにしまってある“睡眠用”のドライな服装に着替えてそのまま気持ち良くグッスリ眠ればいい。濡れた服はビニール袋にでも入れてテントの隅に置いておくんだ。次の日になったら、また前日と同じように、濡れて、汗がしみついて、臭いたつような“トレック用”の服をビニール袋から出して着るだけのことだ。その日が晴れれば歩いている内に乾いてしまうだろうし、雨が降っていれば、結局のところ服が濡れていようが関係ないからね。とにかく、毎日その繰り返しで間違いなく問題ないよ!」
…ということなのである。
そして、トレッキング生活も3日目に突入して、確かにその言葉がしっかりと的を射ているという実感を2人も徐々に得始めている。

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昨日・一昨日は何度も雨に降られたから、2人の服も何度となく濡れた。…濡れたけれど、その後にくる太陽と風が本当にその服をあっという間に乾かしてくれるから、夜、眠る段階になって着替える時に服がまだ濡れているってことは結局のところ1度もなかった。
靴下は臭いしT-shirtも…だけど、歩いている限りは全く気にならない種類のものだ。
“とにかく寒い”というイメージを持っていたパタゴニアだから、携帯用のダウンジャケットもトレック中に使うかも…なんて考えていたが、歩く時の服装としたら、長袖&半袖のT-shirt1枚づつに、ウィンドブレーカーがあればもう十分。荷物を担いで歩いていたら自然に身体が温まるから、ウィンドブレーカーでさえ暑く感じてくるほどだ。ダウンは結局、寒い夜を凌ぐために、寝まきとして使うべきものだったのである。

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本当に今回は、毎日色々と勉強させられている気がするなぁ。トレッキング術というか、山で過ごすためのあれこれ、というか…。
そんなわけで、いつもと変わらぬ服装で出発した2人。初日と同じルートではあるが、見る方向が違うだけで景色はガラリと変わって見える。天気の違いもあるのだろう。今日は本当に良く晴れていて、歩いていても、とにかく何とも気持ちがイイ。

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そんな山歩きに、11kmの道則でも荷物の重さをほとんど感じることなく、昼過ぎには順調に「Refugio Paine Grandeに到着する事が出来た。
ここでひとまず休憩をとり、野外に設置されたキッチンエリアでインスタント・パスタを作って昼食に。このチーズクリームソース味のパスタが安い割にはかなり美味くて、調理中の“素敵な匂い”には周りのトレッカーからも熱い視線を感じた程だった。
午後はまた7.6kmのトレッキングが残っているが、日が長いからゆっくりの出発でも十分なのが嬉しい。たっぷりとした休憩のあとに、またもうひと歩き、頑張らなきゃなぁ。

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