16 December, 08

「This is what we’ve wanted to see。」

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昨日、こちらの宿に移ってきた時、3日前同じこの宿の受付で出会ったオーストリア人女性“EVA”と再会。色々と話をしている内に、3人とも行きたいと思っているOscar Niemeyerの建築による美術館「Museo de Arte Contemporanea」へ一緒に行こうということになった。

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外では、朝から降り始めた雨がその雨脚を少しはやめたようにも見えるし、美術館見学というのはこういう場合ちょうどよい“企画”かもしれない。
…そうはいっても実はこの美術館は2人が以前からとても大好きな建築物で、本当は良く晴れた日に青空の下で、キレイな写真を撮りたいと思っていた場所。そういう意味ではこの天候はとても残念な状況なのだが、なってしまった以上はもう、どうにもしようがない。
傘を持ってないEvaと3人、2本の傘を共有しながらバスとフェリーを乗り継いで、Rio de Janeiroの対岸「Niteroi」地区にあるその美術館へと早速向かったのである。
しかし、ここでもやはり2人の常日頃の行いが神様に“良好”と見なされたからなのか、現地に到着する数分前あたりから、さっきまで強く降り続いていた雨が次第に弱くなっていっていったのだ。そして最後のバスをおりてその建物の目の前まで来た時には、あんなに分厚かった雲が薄まって、雨は完全に降り止んでいる…
「なんか、そんな気がしてたんだよなぁ(笑)。」とうそぶくM。
とにかくこれまた嬉しい誤算。そして目の前に姿を見せたのは、2人がずっと見たいと思っていた奇妙な形の美術館なのである。
「とうとう来ちゃったよ、ここに…。」
実際にこの目で見るその建築物は、Brasiliaの数々の建築物から感じたのと同じように、Oscar Niemeyerという人の持つ素敵な“遊び心”と“子供心”を感じさせてくれる
宇宙船のような形をした展示空間部分のカタチは、見るだけで何だか嬉しくなてくるような楽しさを持っているようだ。2人とも顔が笑っちゃってて、それをこらえながらとにかくカメラのシャッターを押しまくってた。
そうは言っても今回は隣に同行人のEVAがいるわけで、そんなに長いこと外でグダグダしているわけにもいかない。ある程度の時間感慨にふけると、赤く染められた床を持つスロープを登って展示スペースへの入り口へと向かったのであった。
受付付近には小さなMuseum Shop空間があって、ポストカードや写真集・T-shirtやBagなどのオフィシャル商品を販売している。中にはカワイイものもあるけれど、とにかく値段が高くって…。まぁとにかくまずは中を見ようかと、この場は簡単にスルーしつつ更に内部へと入り込んでいったのである。

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そしてこれが、外周を囲むガラス窓から外の景色を眺めたところ。
内部の展示空間は2層に分けられているのだけれど、これは最初の1層目にあたる階の外廊下てき空間である。ガラス窓の内側にはカーペットで覆われた「お座りスペース」が設けられており、訪れた人々はここにグダっと横になったり腰かけたりしながら外の風景に眼を向ける事が出来るようになっている。

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美術品の展示は更に内側の無窓空間にされているのだが、そこよりもとにかくこの外周空間が特筆すべき場所であると思う。対岸に広がるRioの風景が、音のない世界から見ているとどうにも静かなものに感じられる。小雨がちな曇り空のせいもあるだろうか…そんな風景を快適な“ベンチ”(一段高くなった床)に腰かけてぼんやりと眺めていると、なんだか傘をさしてそこを歩いているだろう人々に対して“優越感”を感じるほどだ。
ここはいい、いや本当にかなりいいです。
今回来た経験からいえば、雨の日はまた特に、外を歩くよりも全然素敵な時間を過ごすことが出来るんじゃないかと思う。
そんな素敵な1層目部分を見終えると、そのあとは階段をのぼって2層目部分へ移動。
こちらは完全に窓のない空間で、1層目でいう「外廊下」部分が今度は展示室として使われている。展示物もなかなか面白かったから、全体としてとてもゆっくり・ゆったりとした時間を過ごすことが出来た。

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最後は外からもう一度、さっきとは違った角度での写真撮影。見ているとどうやら地下にはCaféまで用意されているようだが、こちらはコーヒー1杯だってかなりの料金を取るだろうと踏んで、2人ともハナっから入ろうとする事はなかった。
オーストリアの美術館で働いているというEvaも、「MuseumのCaféは無意味に高い。」という見解をもっていたから、それについては異存はなかったようだ。

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それにしても、やはり最高に特別なのは、とにかくこの外側からのシェイプであるだろう。
こういうカタチを実現するには、やはりそれ相応の“才能”が必要であると思う。
誰かが似たようなカタチを描いたとしても、このバランスはなかなか得られないはずです。
いやいやホント、とても素敵ッス。
午後からはEvaとは別れて、2人でまた色々とRioの街を散策してみたのだけれど、これといった収穫は得られず。
天気も変わらず“どんより”のままだし…。明日こそは、きっと太陽が!??

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