12 December, 08

「Oscar Niemeyer のカタチ。」

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寝かした長方形の胴体の上に、逆向きになった台形と半円形が置かれている。
傍には空に向かって垂直に立てられた別の“長方形”が2つ並び、それが全体の形のバランスをうまく取っている様にも見える。

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M曰く、
「二ーマイヤーは子供のころ、積木遊びが大好きだったハズ!間違いない!!」
そんな言葉に素直に納得できてしまうような遊び心というか、センスを感じさせる彼の素敵な造形物が、この町にはたくさん並んでいるのである。

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それはまた、僕たちが子供の頃に思い描いた“未来”の風景に重なる世界でもある。

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真っ白でのっぺりとした壁の質感。曲線と直線が様々な交わり方をして出来た彼の建築物が持つ“カタチ”は、どこか現実離れした風景をその周りに造りだしている。
この、写真の「Congress Building」は内部見学も可能なのだが、2人が入口から中へ入ろうとすると、中で待ち構えていた警備員からいきなり「待った」が掛かってしまった。
警備員が指さす案内板の方へと目をやってみると、英語で書かれたいくつかの注意書きが…それによればここはどうも「ショートパンツ不可」であるらしいのだ。
つまり、Jの履いているパンツ(ズボン)が問題だってことで、Mには特に問題はない。せっかくここまで来たのに2人とも中に入らずに立ち去ってしまうのもやはりどうも勿体ないから、今回はMだけで中を見学させてもらう事にした。
Jは入口外の庇の木陰で、持ってきた文庫本を読みながら庭師が芝を刈る風景を眺めていることに。外は灼熱の真夏日よりだから、木陰にいられるだけでもかなり有難いのだ。
数十分後にMが出てきて、内部の様子をJに報告。空間そのものよりも、二ーマイヤーのセレクト(デザイン)によって置かれた家具の方に魅力を感じたようである。
しかし、やはり最も特筆すべきなのは、大地に降り立った宇宙船のようにも見えるこの建物の“カタチ”の方だろう。
周辺に点在するその他の建築物も、やはり魅力的な外観を持っている。例えばその筆頭は、この、光と色の効果も素敵な王冠型の“カテドラル”だろうか。

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二―マイヤー的ピラミッドとも思えるガラスと曲線の屋根(壁)の中にある祈りの空間は地下で広がりを見せ、内部に入ると、外からの光をいっぱいに貯め込んだ青い水槽の中にいるかのようにも思える。
独特なシェイプを持つカテドラルの周囲を彩るステンドグラスの柄や色合いも、やはりどこかに“子供心”と“未来”を感じさせていて、それは荘厳というよりは、明るさの中に包み込まれるような“柔らかい世界”といった感じだ。
そういう感じ方は人によって違うものなのかもしれないけれど、どんな感じ方をするにせよ、彼の造り出した建築物が人々に心地よい驚きと感動を与えてくれることは確かだろう。つまり、彼は当時としてだけでなく、いつ見ても、誰にとっても“特別なカタチ”を生み出せる、やはり特別な人だったということか。
純粋であり、非現実的で未来的な世界。
オスカー・二ーマイヤーは、本当に魅力的な作家だと思う。

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それにしても、せっかくこれだけ観光客が訪れるような素敵な建築物であるのに、壊れた(割れた)ステンドグラスなんかが全く修復される様子がないのがどうにもブラジルらしい。いや、“南米らしい”というか…。それとも、これは彼ら(ブラジル人)が“オリジナル”であることを大切にしているってことだろうか!?(笑)

コメント

こんにちは!
毎回更新楽しみにしています!
リオのビーチにいたのは…もう一ヶ月以上前だ。
月日が経つのは早いですね~。
2008ももうすぐ終わり、健康に気をつけて冒険を続けてください!
今後も更新楽しみに、自分も旅していると妄想しながら読みます!
hope to see you soon!

コウタくんへ。

コメントありがとう。
年末年始の忙しい時期に、しっかりチェックしてくれて嬉しいです(笑)。
こちらはちょうど先日Buenosを出発して、Patagoniaへと突入したところ。

今後もますます“冒険”しますよ!!
それをお知らせするためにも、
ブログの更新、早く“今”に追いつきたいなぁ…。

あ、明けましておめでとう!!
卒論の追い込み(終わったかな?)頑張ってね。

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