14 November, 08

「vs Total Adventure。」

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あいつだけは、絶対に許せない!??
そんな、それまでウキウキしていた気持ちがいきなりササクレ立つような事件が、早朝のCiudad Bolivarの空港にて起こってしまうこととなった。

昨日の夜、PM7:30発のバスに乗ってSanta Erena(サンタエレナ)を出発した2人は、今朝AM6:00を過ぎた頃にCiudad Bolivar(シウダーボリバル)のバスターミナルに到着。
昨夜のうちにフランシスコから渡されていたTAXI代の20ボリーバル(≒\500)を使って、そのまま休みなく空港へと移動することとなった。
ここから、今日の午前中のセスナに乗ってカナイマ国立公園内の町「カナイマ」まで移動するというのがフランシスコとの契約内容であり、移動後はその午後からいきなりTour初日の観光が開始される予定なのである。
何とも、長期旅行者とは思えないような余裕のない“弾丸ツアー”だ。
それもこれも、元はといえばブラジルのVISAについてのちょっとした不安があってのこと。
2人がイグアスでとったVISAは通常日本で取得できるような90日タイプではなく、制限日数が「30日」となっている。まぁブラジルは物価が高いし、あまり長居し過ぎないためにもそれくらいの期限はちょうど良いだろう…などと話してはいたのだけれど、それでもこうしてベネズエラへと一時出国してしまうと、その間の日数がその「30日」から引かれているのかどうかというのが今度は気になってきたのである。
元々少ない日数の上に、さらに減ってはブラジルが十分に楽しめなくなってしまう!?
VISA延長にだって料金が掛かるわけだし、多少の事だとはいえ出来るだけそういう出費は抑えたいってのもあるから…。
その辺、調べようにも手持ちのガイドブックには詳しく載っていなくって、国境でも訪ねてみたのだが言葉の問題もあって返事がイマイチ曖昧であった。そして、こういう時に限ってインターネットを使う暇すらないままに、遂にはここまで来てしまったのである。
最悪日数が減っていたとして、それでも最短で効率よく、そして出来るだけ長いスパンでブラジル内を旅するために、とにかく来週水曜日(11/17)マナウス発のアマゾン河下りボートには何とかして間に合わせたい…それが、今回の2泊3日のカナイマツアーに繋がってきているのである。
いや、実際にはこのツアーには無料で現地(カナイマ国立公園内)にもう1泊できるサービスが含まれており、2人は少ないベネズエラでの予定日数をそれにあてるよう手配した為、全部で3泊の予定になっている。
そんな、最良を期したつもりの2人の日程調整が、ここに来て思わぬ“危機”を迎えたのである!??
事態は、Ciudad Bolivar(シウダーボリバル)の空港に入ってから急激に変化していった。
2人が空港に到着したときは、まだ約束のAM7:00になっていなかったこともあって現地Tour会社の担当は姿を見せていなかった。
なので、とりあえず事務所があるブースの前に自分たちのバックパックを下ろし、時間が来るのをその場で待つことにした。ここでも早朝は少しヒンヤリとするくらいの気温であったが、徐々に日差しが空気を暖め、外は大分暑くなってきているようである。
とはいえ今の2人は空港の中。クーラーが程良く効いた快適な空間の中にいるのだ。
涼しい室内環境が、移動続きで溜まってきた疲れもしばしの間だけ忘れさせてくれる。

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そして、窓の外の晴れわたった空を眺めてみたりしながら、この先のTourへの楽しみな気持ちを膨らませていた…と、その時、目の前にある空港入口ドアの向こうから、待っていた現地担当者の登場である。
小太りで若そうな感じのそのベネズエラ人担当者は、2人の他にも幾人かのクライアントを今日の便で出発させる予定であるらしい。こんなに待ちに待っていたのに、来る早々にまずはそちらの方で掛かりきりな状態になってしまっている。
こちらは直前の昨日の段階で手配をお願いした身であるし、まぁここはひとまず向こうが落ち着くのを待っているしかないだろう…。
そんな余裕のある大きな気持ちを持って彼の行動を見ていられたのも、結局はこの後の数十分だけのことであった。

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いくら待っても自分たちのフライトについて詳細な情報を教えてくれないガイドの態度に対して2人は次第に疑問を感じ始め、こちらからその事を尋ねてみると、
「大丈夫、ノープロブレムだからもう少しそこで待っていてよ(笑)。」
そう言われて更に待ち続けるのだが、その後も全く音沙汰がなくなってしまうのである。
ここで更にガイドをせっつくと、
「大丈夫だから、そう焦らずにもう少し待合室でサービスのコーヒーでも飲んでいてよ。」
と、やはり先ほどと同じような返事が返ってくる。
しょうがない、とにかく根気よく待つしかないか… 腰を据えて待つ準備を改めて整えていたその時、さっきとは別の表情をした我らがガイドが信じられないようなことを言い放ったのであった。
「残念だけど、今日のフライトは全て出払ってしまったようだ。君らの乗るセスナを今日中に手配するのはもう不可能だから、今日はこの町に一晩泊って、明日の朝再度出発してくれないかな。嫌ならお金を返すけれど、さて、どちらの方がイイ?」
…はい!?? えっと…、彼は一体何を言っているんでしょうか…!??
明日って、そんなの「はい、そうですか。」と簡単に受け入れられるわけないだろっての!
こっちは今日のフライトが確実だからということで昨日の内にTour料金を払い込んだんだし、さらにはSanta Erenaの宿をキャンセルしてまで昨日の夜行バスで移動してきたんじゃないですか!!フライトがないって、それを手配しておくのがそちらの仕事なはずでしょうが!!!
余りにもいけしゃあしゃあと、しまいにはニヤついた笑い顔まで浮かべながらそんな無責任な発言をするそのガイドの態度に腹がたってくるだけで、2人とも(特にMはキレまくり!?)その不可解な状況を全く納得する事ができない。
いや、こんなの納得できるわけがないのである。
最悪、その不手際については誰だってミスをやらかすことはあるから…と相手を思いやる要素は含んでいると思うが、それを伝えるやり方やその後の対処の仕方が全くもってこちらを馬鹿にしているとしか思えないのだ。
「とにかく、もう少し何か方法がないのか考えてもらわないと困るでしょうが!!こっちは時間に制限がある身だし、その現状については昨日フランシスコにしっかり伝えてあるはずなんだから、ちょっとはその辺考えるべきでしょうが!!!」
と、2人とも急速に「でしょうが」一辺倒な人間になってきてしまう始末。
この頃になると、Mなんてもう、悔しさで泣き出してしまいそうなくらいである。
そんな2人の怒り具合を見てそいつ(現地担当)がその場の席を外し、ようやく何か対策を練りに動いてくれたかと思っていたら… 良く良く見ると、なんと隣のカフェテリアのテーブルで優雅にオレンジジュースを飲み始めたじゃありませんか!????
信じられん、一体どういう会社なんだ、というか、あいつは一体なんなんだろう…。
いくつもの不毛なやり取りにもメゲズにそいつをさらに責め続け、なんとかそいつを動かさせながら最後にようやく引き出した問題の対応策はというと、
「今日はTour事務所にある宿泊部屋を提供するので、そこに無料で宿泊(昼食・夕食込み)してもらいたい。明日の朝一番のセスナに乗ってカナイマへ行けるように今日の内に手配しておけば、向こうでの滞在時間やTour内容にも全く支障がでないはずである。無料滞在の1日分がカナイマではなくこちらになってしまうということだが、最後にセスナでSanta Erenaに向かう日程はずらすことなくTourをこなせるハズ。今日のフライトは今からではもうどうにもする事が出来ないので、今回はそれでなんとか納得してよ…。」
ここまで来ても未だ態度はよろしくないのだが、問題のフライトについてはこれ以上の対応はもう望めそうもないようである。Santa Erenaのフランシスコは結構イイやつだったけれど、彼の提携する現地Tour会社が常にこのTiuna Tour(又はTotal Adventure)であるとすれば、とてもじゃないけど他の人に薦めることは出来そうにない。とにかく、つくづく態度が“ムカつく”相手なのである。
そんなこんなで、早朝AM6:00過ぎから待ち続けていたにもかかわらず、結局出発は明日の朝へと“延期”されることに…。
現在、既にお昼をまわろうかという時間である。全く、何て無駄な一日を過ごしてしまったんだろう…しかも、充実していた気力・体力も一気に吸い取られたような気分だ。
思いがけず泊る事になったCiudad Bolivar。
とはいえ、果たして町を歩くような元気が、この後に湧いてくるかどうか…。

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