13 November, 08

「束の間の休息…。」

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荒涼とした大地の真ん中を、セミカマ(リクライニングシートの夜行バス)の座席に座って走り続ける2人の今日の目的地は、“Santa Erena de Uairen (Venezuela)”。
ブラジル~ベネズエラ国境を越えてすぐのこの町は、周囲に広がる広大なギアナ高地、特に、小説「ロストワールド」のモデルとなった巨大テーブルマウンテン「ロライマ山」へのトレック基地となる場所である。

Boa Vista (Brasil) を出発したバスはブラジル・ベネズエラそれぞれの国境事務所を順調にパスしていって、AM11:00を過ぎた頃にようやく目的のターミナルへと到着した。
遂にこの旅40ヵ国目となる「Venezuela(ベネズエラ)」へと入国である。

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その最初の滞在地となるSanta Erena de Uairen(サンタエレナ)は長閑な空気感の漂う熱帯の村という雰囲気で、所々に茂ったヤシの木やブーゲンビリアなどの姿が、移動で疲れた旅行者の心を癒してくれる。
今日は久々に、宿のベッドで眠る事が出来るんだ…。
そんな脱力感いっぱいな気分で適当なHostelへとCheck Innを済ませ、荷物を置いてしばし休憩。久しぶりにリラックスした気分である。
顔を洗い、しばらくベッドで横になった後、お腹が空いてきたこともあり、ゆっくりとした気持と足取りで外の空気を吸いに出掛けた。

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移動続きで疲れているとはいえ、ここではすぐにギアナTourを手配するつもりである。
一応ロライマ山へのトレッキングを検討しているが、通常5泊6日からという日程の長さがちょっと気になっている。もう少しコンパクトな日程のツアーがないものか…。
その情報収集も兼ねて、通りの店や旅行会社を覗きながら歩いていたところ、1軒のHostelにTourチラシを張る人の良さそうな兄ちゃんと目が合った。
「何か、ツアーの情報でも探しているのかい?」
そう聞かれて、一応ざっとこちらの考えている意向を伝えると、
「それじゃぁうちの格安のツアー情報をちょっと聞いていきなよ。」と誘われてしまって、
そのままそのHostelのテーブルで長々と話し込むこととなったのである。
兄ちゃんの名は、フランシスコ。バスターミナルの中に自分の事務所を構えており、その名前はLonely Planetにも載っているということは、後になって分かったことだ。
そのフランシスコの話を聞いて分かったのは、ロライマ山へのツアーはちょうど明日発のものが予定されているらしいのだが、事前に聞いていた通り、5泊6日の日程になるらしい。
出来れば3泊くらいのツアーを探したいんだけれど…
そういう2人の希望日程に合うTourを尋ねると、どうやら「カナイマ国立公園」へのTourが“2泊3日”であるというのである。
カナイマ国立公園といえば、かの世界一の高さを誇る滝「エンジェルフォール」がある、ベネズエラ、いや、世界でも屈指の観光スポットである。
ロライマに劣らず、そのテーブルマウンテンが林立する大自然の景観はまさに「ロストワールド」そのままの様相を呈しているという…。
正直、その距離的&金銭的な問題を考えて、今回はカナイマへの道についてはハナっから除外していた感があったのだけれど、そう言われて改めて薦められてしまうと、やはりそこは世界でも特別に魅力的だろうと思える場所なのである。
セスナ移動・宿・食事・エンジェルフォールへのボート移動費など全てを含んだそのTourの料金を恐る恐るフランシスコに尋ねてみると…
何と、日本円にして1人当たり約40000円ちかい!?
やっぱりという感じではあるが、さすがにやはり、とってもお高いッス…。
それでもこれは“闇ルート”による換金率で計算した場合のことで、そうじゃなければ本当はこの倍のTour価格になる計算なのである!?
というのも、ベネズエラでは“米ドル”や“ブラジルレアル”を路上の闇換金屋で両替すると、銀行で換金する正規換金率の約2倍で取引する事ができるのだ。
そのため、国境の町であるここSanta Erenaでは、旅行者はみなブラジル側の国境の町「(ここへならばパスポートチェックなしで国境を通過できる。)」まで行って“Banco do Brazil”でブラジルレアルを引き出し、それをベネズエラに持ち帰った後に路上で両替していわゆる“ブラックマネー”を獲得しているのである。

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2人は今回、ベネズエラに入国するまでこの事実を知らなくって、実はフランシスコに教えてもらってこの事実を知ったという…(笑)。
それにしても、やはり高い…。
しかも考えてみると、ベネズエラまで来ることなんて、この先もう一度訪れるかどうか…そう思うとなおのこと、この機会を逃しちゃいけないって気がしてきてしまうのだ。
高い…でも…やっぱり行きたい!!
ここでも2人の意見は見事に無謀な、それでいて魅力的な方向で一致することに。
順調に減っていっている貯金の額はかなり不安であるけれども、ここもまたひとつ頑張って絞り出して、魅惑の未知なる世界へ行っちゃいましょう!!!
そうとなると、一番近い日程のツアーに参加するためには、ここから今夜の夜行バスに乗って、カナイマへの玄関口となる街「Ciudad Bolivar(シウダーボリバル)」へ移動しなければならないことになるらしい!?
今日こそベッドで寝れると思って、さっきチェックイン済ませたばかりなのに…。
とはいえ高いTour費用を思うと、一泊分の宿代分を失っても、無駄な日々を無為に過ごして更なる出費を重ねるよりは良さそうである。
ここはもう、とにかく肉体的にも頑張って今日の内に移動するしかないのだ。
全く、次に落ち着いてシャワーを浴びつつベッドで眠れるような日は、一体どこで訪れるのだろうか…そんな小さな疑問を心の奥底に抱きながら、それ以上にワクワクする気持ちを2人両手いっぱいに抱えて、サンパウロ以来3夜連続となる過酷な移動の途へとついたのであった…。

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