25 November, 08

「夕焼け。」

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みんな、呆けたように夕陽の落ちる方向を見つめている。
そんな人々の顔さえも風景と一緒に真っ赤に染めあげながら、少しづつ、少しづつ、真っ赤で大きな、まん丸い夕日が砂丘の稜線に近づいてきた。

湖の水は、夕日の赤と色が混じって昼間よりも濁った色をしているように見える。
そんな水面と空を目の前にしながら、ある人は瞑想の世界へと入っていたり、またある人はカメラを構えて走り回っていたり…。

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辺りは益々肌寒くなってきているにも関わらず、2人は水着の上に上着を羽織るのも忘れてじっとその太陽の行方と周囲の風景を見続けていた。
落ち始めると、夕日の消えていく速度は意外と速いものだ。
あっという間に“マル”がその半分になり、最後には柿の種のような姿に変わって、そのまま小さく消え入ってしまった。
いつもと同じ夕陽の姿。でも、見る場所が変われば心に刻まれる印象も変わるのである。

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2人はそんな一部始終をかじりつく様に眺めていたのだが、周りの西洋人なんかは夕日が落ち切ってしまう前にその“鑑賞”自体を切り上げてしまっていた。
彼らにとっては、日が“落ち切る”ことはそれ程重要じゃないのだろうか…。
2人にしてみたら、それじゃ何だかもったいない様な気がしてしまうんだけどなぁ。

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