27 November, 08

「Good-bye LENCOIS。」

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宿のおばちゃんの好意で夕方まで部屋を使わせてもらえることになったので、今日も日記を書いたり本を読んだりしながら小さな期待を持って“便り”を待ち続ける…。

しかし、結局最後まで、彼らから連絡が入る事はなかった。
確認は常に、こちらから事務所を訪ねてみたときのみ。昨日のセスナ会社の担当者は、金を返してもらった後には1度も姿を見せる事はなかった。
やはり、金の切れ目が縁の切れ目、か…。
寂しい話だが、あの瞬間に全ては“白紙”になってしまっていたということなのだろう。
期待はもてないと昨日の内に感じてはいたが、それでも実際、最後の瞬間までやはり期待をしてしまっていたのも事実で…
今日のSan Luis行きのバスの時刻になり、「行けない」ということが最終決定したときには、2人とも何ともやりきれない気持ちになってしまった。
更にかぶせて全く理解できなかったのは、今日の日中、Jが何度目かの“予約確認”に向かった時のこと。この時もやはり状況に変化はなく、
「何か他のセスナ会社とか、別料金のフライトとか、とにかく飛べる方法はないのか!?」
と半ば投げやりな気持ちで代理店の“ママ”に尋ねてみると、
「ないねぇ。セスナ会社は1社のみだし、フライトだって、あるとすればSan Luis行きのフライトくらいかねぇ。」
「…、えっ、なに、San Luisに行くフライトがあるの??Lencoisって、こことSan Luisの間くらいの位置だったと思うけど、もしかしてそれで途中に見えたりは…。」
「見えるよ。え、乗りたい?San Luis行き。」
「…。」
言葉もでない。こっちはこれだけセスナに乗りたいと2日も宿の中で待ちぼうけをしていて、その為だけに何度もこの事務所に通ってるってのに…。しかもその後はSan Luisに戻る予定もしっかり伝えてあるのに、何で最初から“San Luis行きフライト”の提案が出てこないのか!?それなら、湖も見れて移動もできて、一石二鳥でこちらにとっては一番良さそうな方法じゃないですか!??
「乗りたいかって…、そりゃ乗りたいでしょ!あるの、そのフライト!?」
ちょっと待ってな…なんて悠長な返事をしつつ、おもむろにセスナ会社に電話を掛け始めるママ。一度は「あるある、今すぐ飛ぶフライトがあるよ!」なんて言っていたのだが、その2秒後には相手からの新たな情報を聞いて
「えっ?ありゃ、ちょうど今席が埋まっちゃったって。因みに明日は…フライト
ないみたいだねぇ。残念、ざんねん。」
…ここまで来ると、わざとやっているとしか思えない展開である。
セスナ会社の方にしたって、昨日からフライトを待っているこちらの存在を知っているはずなんだから、向こうからSan Luis行きの提案を持ってくるべきなんじゃないのか!?
値段は多少高いらしいけど、それも含めてまずこちらに相談すべきことだろう。
ママに至っては悪気が無さそうなところがまた、どうにも手がつけられない。
とにかく、どこまでもかみ合わない…っていう感じ。
長く旅をしていれば、こういうこともあるってことだろうか。

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実際「やり残した」という気持ちはかなり強くあるけれど、次へと切り替えて新たな楽しみを見つけていくしかない。この町とはウマが合わなかったってことで…。
マイクロバスの車体に揺られて、2人が次に向かうのは“Colonial Capital”San Luis(サンルイス)。素敵な古い町並みの中で、早くこの“悪夢”を忘れたいです…。

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