18 November, 08

「AMAZON RIVER。」

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AM8:00過ぎにバスはマナウスのターミナルに到着した。
前回来た時から1週間も経っていないのだが、何だかそうとは思えないほど色々あった「ベネズエラの日々」であった。そんな充実の数日間を楽しみ、そして乗り越えて、予定通りの日程で戻ってくることができたブラジル・マナウス。

ここでは今日1日だけ宿に泊って、明日水曜日に出向するBelem行きの船に乗る予定だったのだが…ここまで来る途中のバスやターミナルでガイドブックをめくっているうちに
「せっかくアマゾンまでやってきたのに、ただ船の上で4泊を過ごすだけで海辺の町Belemまで行ってしまうのはどうも勿体ないような気がする。ここは思い切って、どこか途中のアマゾン的な町で途中下船してみようじゃないですか!」
という新たな案が急速に持ち上がってきてしまった。
そういう訳で、あっさりと予定を変更して、目標をアマゾン川中流域の町「Santarem(サンタレン)」に設定。
ここへの船なら今日の内に出発するものがあるという事で、「マナウスでベッドにて熟睡」計画を泣く泣くあきらめ、早速チケットを購入する事となったのであった。
因みに料金は1人85レアル(≒¥3500くらい)。この倍くらいの金額を出せば船内個室に泊まる事も可能であるようだが、2人は当初の予定通り、通常クラスの「ハンモック」タイプの広々シェアールーム(!?)にて乗船である。ようは、甲板ってことですが…。
このクラスにて乗船する場合、ハンモックは備え付けのものが用意されているわけではないので、乗船前に自分で準備しておかなければならない。
2人はここまでハンモックを担いでは旅をしてきていなかったので、新しく購入しなければならない。マナウスの町にはそんな客の為の“ハンモック屋さん”があちらこちらに店を構えているのだが、ドタバタといつの間にやら港まで来てしまった2人は先に荷物を船内に固定してしまい、その後で桟橋の上に出ている屋台のような店の商品から一番手ごろな価格のものを選ぶことにしたのであった。
これが1本20レアル(≒¥1000弱)で、固定用の紐が2組で5レアル。
出港予定はPM1:00なのだが、ハンモックを吊るすのに“良い場所”を確保するため、AM10:00過ぎの現段階で早くも乗船してしまった2人。それでもデッキに足を踏み入れてみると、既にちらほらと先客がハンモックを吊るし終えているようである。

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さっそく2人も場所を選んで、真新しいハンモックを船の人に手伝ってもらいながらしっかりと固定用ハンドルに取り付けてみる。
ちなみにここでいうハンモック設置のための“良い場所”とは、
① 音のうるさい食堂やトイレの近くを避ける。
② 荷物を固定しやすい柱などが近くにあること。
③ 照明が近くにあると夜寝るときに眩しいので、出来るだけ照明から離れる。
などなど…
とにかく、とりあえずSantaremまでの2泊はその場所で過ごすことになるのだから、やはり最初の場所取りこそがアマゾン川下りではかなり重要だと言えるだろう。
そうして選んだ場所に吊るした“マイ・ハンモック”に身体を沈めると、何だか少年・少女時代の“秘密基地”に入り込んだよう気分。もうそれだけで、どうも随分と楽しい気分になってきてしまうのである。
そんな“雰囲気”にひとしきり浸り終えると、船内探索も兼ねて最上階のオープンエアーな甲板へと移動した。

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ここにはバーというか、簡単な売店のようなものが中央にドデンと設置されていて、周囲に置かれたプラスチックテーブル&イスを使えば「ビールを飲みながら風に吹かれて寛ぎのひと時を過ごす…」なんて事が可能なようになっている。
船体前方部分は2人の寝床となる2階甲板にしろこの3階にしろ、個室スペースが占めているのだが、その周囲を巻く様にして伸びる外廊下を通って最前部へと回ると、進むボートの進行方向を眺めながら気持ちいい風に吹かれる事が出来るようだ。
こうして見てみると、船のサイズは写真で見るBelem(ベレン)行きのそれなんかよりも随分と小さいような気がする。やはりサイズは航海距離に比例するものなのだろうか。
とにかくそういう狭い範囲での手頃な船内探検を楽しみ、出港間近という時間になって再び自分たちのハンモックへと戻ってきてみると、先ほどとは比べ物にならないくらいに沢山のハンモックが天井から吊るされているのが2人の目の中に入ってきた!?

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それはもう、“押し合いへしあい”というような状態で、Mのハンモックの隣なんかは柱が迫っているはずなのに、まるで2段ベッドさながらに頭上に別のハンモックが吊るされてしまっている!?
「何これ、なんでこんな狭い所に無理してつっこんでくるの、この人!?こんなのでちゃんとハンモックに登れるのかなぁ。絶対ウチらの荷物の上とか足掛けさせてやんないから!」 と、自分の秘密基地的空間を侵されたものだからしきりにいきり立っているM。
しかし、いざボートが出港してウトウトと寛ぎながらふと気が付いて頭上をみると、いつの間にどうやってあそこまでよじ登ったのか、案外Mにも荷物にも当たることなく上手いこと“小さなオヤジ”が眠りについていたのである。何とも不思議…。

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それにしても、アマゾン川である。
2人がずっと想像してきたブラジル・アマゾン(川)という場所の印象は、「ムシ暑い」「両サイドからジャングルが迫ってきている」「動物王国・虫王国」というような、とにかく色んなものが密集したゴチャマゼタイプのイメージであったのだが、今、目の前に広がっている川はどうも「川」というより「海」といった方がピンとくるくらいにだだっ広い清々とした風景である。

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出港してすぐの流域では「紅茶色」の水と「珈琲色」の水が交わるスペクタクルな場面もあったが、そこを過ぎてしまうとあとはもう、とにかくのっぺりとした同じような風景の連続。気温も暑くもなく、寒くもなく、湿気もないという気持ちの良い「ちょうど」な状態で、周囲から虫や動物たちがいきなり襲ってきそうな気配もみられない。これが本当に、アマゾン川というやつなのか…。
新たな疑問を抱きながらも、とにかく無事に2泊3日の船旅がここからスタートしたのだ。
何がどうであろうと、ビールがこれだけ美味しく飲める状況もなかなか無いなっていうような快適環境であることが、とにかく嬉しいJとMなのでありました。

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