26 October, 08

「夜明け前。」

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明け方、AM5:30にセットした目覚まし時計で目を覚ますと、昨夜の内に用意しておいた防寒装備(ダウンジャケットなど)を身にまとって薄暗い空の下へと飛び出していった。

東側の空の端っこは既に白っぽく明るくなってきてはいたけど、事前に聞いていたとおりまだこの時間は太陽が昇ってきてはいないらしい。
地面に広がる塩は昨日の日中に見ていたよりも蒼白く、そして冷たそうな印象だ。

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そんな大地の上に腰を下ろすと、ヒンヤリとした感触がすぐにズボンの中の肌にまで伝わってくる。タイツだって履いてるんだけどなぁ…。
上着も薄手のダウンの上にウィンドブレーカーを羽織って、雪山でも暖かかったようなスタイルに身を包んではいるのだけれど、塩の大地を吹きわたる風はその装備の下にまで冷気を運んできてしまっている!?正直、かなり寒い。

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そして、結局は座って待ち続ける事がどうにも出来なくなってしまって、不意にパッと立ち上がると、身体を温めるために2人でその辺りを縦横無尽に歩き・走りまわり始めた。
そんなことをしながらもチラチラと東の空に目を向けつつ、ただ太陽の登場を待ち続ける。
すると…

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東の大地の上に“薄く広く”伸びている山々の姿のその後ろから、まさに黄金色に輝く太陽の荘厳な光が少しづつその姿を現し始めたのだ。
その光に照らされた塩の大地は、徐々に昨日の“白さ”を取り戻していくように見える。
2人の身体にもその光は均等に降り注いでいて、後ろを振り返ってみると、そこに薄く長い2つの影をきっちりと落とし始めていた。
他の2人はまだ起きてきていないらしく、そこにいるのはJとMのただ2人だけ。

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このどこまでも続くように見える塩の大地の上で、今この瞬間、この世界の中にたった2人だけで、空の端から昇りくる太陽の前に小さく立ちすくんでいるような気分だ。
影だけは実際の身体の大きさ以上にデッカくその存在を大地に刻んでいて、寒さと太陽の荘厳な姿に小さく縮んでしまった2人の気持ちを必死に鼓舞しているかのようでもある。

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まだ、誰もホテルから出てくる気配はない。
そして、地平線のどの彼方を見ても、他の車や人がやってくるような様子もない。
ただ、2人だけ。
周囲には今でもやはり、空と、大地と、風の音だけがある。
そんな世界を感じられたことだけでも、今回ここで1夜を過ごした事には、それなりに意味があったんじゃないかなぁ…。
そういえば、昨日の夜、夕食の後にホテルの外で見た星空もまた、いままで見た中でも3本の指に入るくらいにとっても素晴らしいものでした。ホテル以外に光を発するものがないのだから、夜の暗さは当然なのかもしれないけれど、とにかく空が広いから、地平線ギリギリまで星が見えていたのがとっても印象的だったなぁ…。

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