19 October, 08

「Parade to La Paz。」

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AM7:00発のバスに乗って、ボリビアの首都;La Paz(ラパス)を目指す2人。
本当はもう少しゆっくりとした時間のバスに乗るつもりでいたのだけれど、急きょ予定を変更して、早朝のバスに乗り込んだのだ。理由は、“今日が日曜日”だったって事!?

ラパス近郊のEl Alto(エル・アルト)という町で開かれる巨大な“市”の開催日が毎週日曜日&木曜日と決まっており、今日を逃すとこの市を見るには木曜日までラパスに滞在せざるをえなくなるという事態に昨夜ふいに気がついたのだ。
「せっかく旅がスピードアップしてきたのに、ここでブレーキを掛けたくない!」
コパカバーナから午前中に出るラパス行きのバスがAM7:00である事を前夜の内に確認して、今朝、運転手と直接値段を交渉し、無事このバスに乗る事となったのである。
今日も天気は、朝から大快晴。
相変わらず窓の外の風景は素晴らしくキレイで、i-Podで音楽を聴きながらそんな景色を眺めているのは本当に気持ちがいい。
そして、そんな快適なバス(今日のバスはローカルバスなので、結構なボロであったが。)の旅を2人でしばらく楽しんでいると、不意に停車した小さなバス停で、乗客のほとんどがバスの外へと降りて行ってしまった。
基本的にはラパスまで行く人たちが多いのだろうと思っていたから、ちょっと不思議に感じながらも車内が空いたことを喜んでいたのだが…。
そのまま車内で座り続けていると、ようやく動き出したバスが、そのまま目の前の水辺(多分チチカカ湖)に浮かぶボートに乗り込んで行ってしまったのだ!?

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しかも、ボートと言うよりはイカダと言った方が的を射ているような気がするくらいの、何とも質素な作りのその板材の上に乗ったバスは、どこか頼りなげに水の上を少しづつだが前へと進んでいるようである。
何だ、一体なにが起こっているんだ!??
直前に2人とも何となく眠り込んでしまっていただけに、どうも状況が掴みきれない。
そんな寝ぼけた頭を必死に起こして、もう一度自分たちの置かれた状況を分析してみると、どうやらこういうことであるようだ。
コパカバーナはチチカカ湖に浮かぶ島状の半島の上にある町なのだが、そこから東のラパス方面へと向かう経路は、ショートカットのためもあってか、一部湖の幅の狭くなったところをボートに乗って横断し、その先に進んでいくようになっているらしい。そして今、2人の乗ったバスはまさにその地点に差し掛かったところであり、ここでは通常乗客は全員降りて、別のボートで対岸へと渡り、そこから再度車内に乗り込むのが常であったらしいのである。確かに車内に残っているのは、2人の他には身体のどこかが具合悪そうな人だけのように見える。本当は2人もボートに乗り換えなければいけなかったのだろうけれど、
「何か寝てるし、どうせ言葉が通じないだろう。」と見逃されてしまったようだ。
しかし、こうしてイカダに乗っかったバスの上から、湖と他の乗客たちが乗ったボートを眺めているのも、これはこれで中々面白い体験である気がする。
まさかバスが横倒し、湖に沈んでしまうってこともないだろう…。

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にわかにそんな不安を抱きながらも、対岸へと着岸するまでの数分間、「湖に浮かぶバス」体験を無事に楽しむことができたのであった。
そこからはまた、いつもと変わらぬのんびりとした田舎道が、アンデス山脈を横目にどこまでもまっすぐ続いて行く。
今日の山々を見ていると、どうも山の輪郭を包みこむようにして白い雲(!?)の層が帯状に続いているのが面白い。

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うたた寝から醒めてそれに最初に気づいた時には「青く見える部分が曇り空(雲)で、白い部分が僅かに残る晴れ間」かと思ってしまった。何でこんな風に2色に別れているんだろう…。
そんな空を不思議がって眺めている途中で、今度は周りの地元民乗客たちが何やらざわざわと騒ぎ始めた。そして、その視線を追ってみると、どうやら2人が座っているのと逆サイドの窓の外に向けれれているらしい。
その視線の先を確かめようと2人もそちらの窓の外を「何だ、何だ!?」と見やってみると…何と、こんな民族大移動のような行列がそこには広がっていたのであった。

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どうもバスが数分前から本道を逸れて凸凹の砂利道を進んでいるなとは思っていたけど、それはまさに、この行列を避けるための応急的な処置であったようなのである。
後で知った所によると、これは現在国会で審議が行われている新法案を「何が何でも可決すべし!」(何の法案なのかはまだ知りませんが…)という決起のもとに集った人々であるらしいのだが、そんな彼らの志とは別の所で、この何もない大地のど真ん中を行進していく色鮮やかな民族衣装たちのあまりの“迫力”に、とにかく2人とも驚かされてしまった。
揺れるバスの車内から数枚の写真を撮ったあとは、ただもう呆然とそのどこまでも続いて行く行列の色彩に目を奪われていた。
そんな大行列も後ろへと置き去りにして、なおも1時間ほどバスに揺られて移動をしていくと、少しづつ周囲の景色が「街」の気配を感じさせはじめてきた。
そして、不意に高台になった道のその先に、こんな、すり鉢状に広がる大都市“La Paz(ラパス)”の姿が見えてきたのです。

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時刻は、もうすぐ12時をまわろうとしている。
これから宿を探して、チェックインして、それで、それからEl Altoに行くつもりだけど…果たして、何とか目当ての“市”の時間に間に合うだろうか…。

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