05 October, 08

「Natural Mirador。」

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昨日よりも少しだけ早めに動きだして、今日もまた、2人は夕暮れ時のMirador(ミラドール)へと向かった。

今回は上手くそちら方面へと向かうバスを拾う事が出来たため、料金は昨日よりも格段に安い1人2ソル。太陽もまだ地平線から少し離れたところに浮かんでいるし、これなら今日はきちんと夕日が沈むところを見られそうだ。
地元の人たちばかりが乗るローカルバスの前列席に並んで座り、2人何をしゃべるでもなく、窓の外を流れる景色に目を向けていた。
この広大な荒野とも、今日の夜にはお別れする事になる。
1つの場所を訪れては、すぐにまた別の場所へと移動していく。そういう旅の生活が最近はまた心地よく感じられているのだが、それでもやはり、素晴らしいと思える町や土地を離れる時には“寂しさ”のような、複雑な気持ちも心の中に芽生えたりするものだ。
そして、夕暮れ時というのは、そういう気持ちを起こさせ易いものであるらしい。
2人それぞれに心の中でそんな感傷に浸りながら、バスに揺られて昨日の場所へ。

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そして、今日は昨日よりも少しだけNazca側で降ろしてもらい、「Natural Mirador」といわれるこんもりとした丘の上にまずは登ってみる事にした。
この丘の周辺には、特に見える範囲に地上絵がある様子はないのだが、それでも“夕日を見る”ということにおいてはとても適した場所のように思える。
特に今日などは、2人以外にこの丘の上に登ってこようという人影も全くない。

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遠くにみえる“やぐら型”Miradorの上に登る観光バスで来た客たちを眺めながら、静かに落ち着いて地平線とその上に浮かぶ夕日に目を向ける事ができた。
そんな風にして落ちていく夕陽を眺めていると、寂しさや高揚感を感じていた自分たちの心の中が、徐々に静かになってくるような気がしてくる。
夕日って、何度見ても毎回新鮮な気持ちで感動できてしまうんだから、考えてみたら本当に不思議なものだ。

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2人っきりの丘の上で地平線に夕日の全ての部分が隠れてしまうのを確認すると、そこから今度は昨日登ったやぐら型ミラドールの方へ向って歩き始めた。
地平線の向こうに見えるその“やぐら”、一見近そうに見えたものの、いざ歩いて向ってみると、これがなかなか近づいてこないのである。
行けども行けども、見える大きさが変わってこない。

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日が落ちた後なだけに辺りはどんどん暗くなってくるし、特にMなどは徐々に不安な気持ちが顔に現われ始めてきた。
白から濃紺へと変わりゆくグラデーションの空の色にJがカメラを向けていると、
「そんな事してる場合じゃない!早くしないと真っ暗になっちゃうじゃん!!」
と、怒鳴りながらも足の速度は緩めずに歩き続ける。
いや、この時点では歩くというより、小走りといった状態だろうか。
Jもその後を追うようにして、とにかく“やぐら”を目指して歩き続ける。
そこにつけば、観光バスかローカルバスか、何かの車に乗れるだろうから…。
そして、2人がようやくMiradorに着いたときには、空は今にも濃紺一色の夜の色に変わろうとしていたところであった。
こんなに時間がかかるとは、正直思わなかったなぁ…。
それでもちょっと助かったのは、そこに今から帰宅しようというMirador職員たちの姿があったこと。一緒にバスを待ってる分には、暗闇に怖さを感じる心配もなかったから。
数分後には無事にローカルバスを捕まえる事ができ、夜行バスの時間前にナスカに戻ってくることができたし、結果的には“予定通り”。
PM8:00発のTRANS MAR社のバスに乗って、次の地、“CUSCO(クスコ)”へ…。

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コメント

こんばんは。
ブログ参考にさせていただいてます。

質問があるのですが
この展望台(丘?)へのアクセスを教えてください。
なかなか情報がなくて・・・
すみませんがよろしくお願いします。

"旅の準備中"さんへ。

この丘、位置的にはマリア.ライへ女史のミラドールに向かう、
その手前(歩いて20分くらいの距離ですが、平野なのでそれぞれが見えるくらいの距離です。)にあります。

道は1本道なので、迷うことはないでしょう。

ナスカの町はずれのバス発着場所でバスを見つけられれば一番安上がりですが、
確実なのはタクシーの運転手に往復料金を交渉して行ってもらうことかもしれましせん。
私たちも初日はタクシーを使いましたが、運ちゃんはNATURAL MIRADORを知っていました。
(というか、運ちゃんに勧められた感じでした。)

滞在が1泊だった為、情報が心もとないかんじですが、
とにかくその場になれば何とかなっちゃうと思います(笑)。
是非、ナスカの素晴らしい風景を楽しんできてください。

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