05 September, 08

「Parque National Los Nevados。」

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朝、AM7:00にピックアップしてくれる予定だったTour Busは、当り前のように予定時刻を30分遅刻して、2人を含めたMountain Houseからの参加者5人をその小さな車体の中へと押し込めた。

インターネットで事前に調べてあった通り、天候は明らかに昨日までよりも良くなっている。曇り空には違いはないが、その合間から青い空が顔を覗かせているのだ。
今日2人が参加するツアーは、国立公園にもなっているLos Nevadosの山々へと向かい、5325mの標高を持つNevado del Ruizに登ろうというものである。
とはいえこのツアーに参加している人々は、みな本格的なアルピニストであるわけではない。着てきている服装を見ても、その“素人加減”が良く分かるくらい。
そんな、装備も何も指定されないような簡単なツアーで5000mを超える山に“挑戦”できてしまうというので、登山など全くの素人である2人もこの企画に興味を持ったのである。
参加費用は、正直かなり高い。95000ペソ(≒\6000)/1人は貧乏TRAVELERの2人にとってかなり大きな出費であるが、ここに来る前から人伝えにもこの山の魅力を聞いていたから、何をおいてもコロンビアではまずこのツアーには参加しようと決めていたのだ。
因みに、ツアーは朝食・昼食・温泉(!?)付き。なかなか楽しみな感じの内容です。
遅刻ぎみに宿の前を出発したミニバスに乗る参加者は老若男女合わせて10名。
それにガイド役のクラウディアという女性&運転手1名が加わって、総勢12名の団体旅行だ。こういうのって個人で旅しているとあまり味わえない“遠足気分”があって、なかなか悪くないもんである。
その後、マニサレスの町を出たバスはクネクネと曲がりくねった山道を少しづつ高地へと登っていき、途中、まずはMも待ち焦がれていたDesayuno(朝食)をとるために小さなレストランの前で停まった。
参加者全員で店の中へとぞろぞろと移動し、既に寒くなってきている空気の中で小刻みに体を震わせながら温かい食事を待つこと10分くらい。

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最初に出てきたのはフランスの朝食にでもありそうな、ボールの中に入ったカフェオレ…ではなくてチョコラテ。とにかく、湯気が出るほど暖かいのが何よりも嬉しい。
吐く息が白くなっている事にもこの時に気付いて、ちょっとビックリしてしまった。
何だか、いつの間にやら猛烈な勢いで“冬”の気候へと突入してしまったらしい…。
いや、まだ北半球だから季節的には変わらないハズだが、とにかくとても寒いのである。
期待の朝食は、目玉焼きとチーズとパンとクラッカーの盛られた1皿。
このチーズが思いの他美味しくって、クラッカーに乗っけてもよし、パン(モチみたいな食感。なんて言う名前なんだろう、これ…)に付けてもまた美味であった。
食事を終えると、さらにバスは高地へ、高地へ。
次に停車したカルデラ湖(?)の辺りでは、既に標高は3760mという看板が立っていた。
ということは、富士山の山頂とほぼ同じ高さってことか…。
ここでもあたたかいシナモン・ティーを飲ませてもらって、冷える体(バスの中はエアコンなしで、何故か窓を開けているため冷たい風が体を冷やすのだ)を温めつつバスはさらに上へと進んでいく。
雲の中にバスが入った時には、みんなで外に降りて白い霧の中で願い事を込めた石を投げたり…。バスを降りるたびに参加者みんなに一体感が生まれてきて、団体行動が何だか徐々に楽しくなってくる。

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そして、その後舗装が途切れて凸凹になった道を更にズンズン登っていくと、4050m地点に来てようやくNational Parkへの入り口に到着した。
ここで登山口へと入場していく前に管理局から事前の注意事項説明があるのだが、全てスペイン語の早口説明なため、2人には全く理解できず…。
実際、ガイドのクラウディアもしゃべりは全てスペイン語のみだから、Mas Importante(とても重要なこと)…という出だしで話し始める内容も、ほとんど2人には理解できない。
1つだけ分かった事は、高地では水を飲むのが重要であるということくらいか…。
まぁ、これだけ人数がいるんだから、いざとなれば、それはそれで何とかなっちゃうんじゃないかなって!?

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とにかく、ポーズだけでは「ふむふむ。」と周りに合わせて頷きつつ、入場チケットらしき紙の腕輪をもらい、遂にNational Parkへと突入した。
ここからは、さらに激しい凸凹道を普通仕様(オフロード風ではない)のミニバスに揺られて山の高みへと登り続け、途中途中休憩しながら体を慣らしつつ、4800m地点の登山入口まで走るのである。
周囲の風景もどんどん荒涼としたものに変わっていき、雲間から見える青空の“青さ”も、やけに透き通った美しさを見せ始める。

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とにかく、青い。研ぎ澄まされたような、目に突き刺さってくる“青さ”だ。
山肌にはいつの頃からか雪が掛り始めていて、目の前にそびえる今から登るべき山「Nevado del Ruiz」には少し粉雪が舞っているようでもある。
クラウディアはいつの間にやら登山用スティック(×2)まで持って、全身登山服の完全防備になっている。こんな雪山を登るんだったら、ツアー参加前に何か事前準備説明とか必要だったんじゃないだろうか!?一緒に参加したフランス人カップルの男性なんか、ハーフパンツで来ちゃってるし…。自分だけそんな、完全防備になっちゃって、まぁ。

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2人はこんなこともあるだろうと一応用意してきたPatagoniaのダウンセーターとウィンドブレーカーを重ね着し、上半身についてはあまり寒さを感じなくなった。
でも、下半身って基本タイツを下に履くくらいしか装備をもっていないから、やはり下から寒さが体に染み入ってくる。
さて、とにかくここからが今日の“本番”。何メートル地点まで登るのかは実はあまり聞きとれなかったけど、5000mを超えるってことは確かである。
未踏の領域(標高)への入り口にたって、少し身体に緊張感が生まれてきたようだ。
さて、その先の登山の様子については…。

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