29 September, 08

「69Lake,and More… vol.2。」

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2人が小休憩をしたSmall Lakeから先は、また30分くらい、湿原というか、小川の流れる大平原が続いていく。だだっ広い、黄金色の大地だ。

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そして、2人が歩く道の周りには、こんな風になぜか大量の動物のフンが転がっていたり!?実際に見かける牛や馬の頭数に比べて、その糞の量はあまりにも多すぎる気もするが…。最初はその「ウンコ地雷」を踏まないよう、気をつけながら歩いていたけれど、これだけの量の糞を見てると、その周りの土だって結局、この糞がなじんだものなんだろうなって思って…途中からは、もう半ばどうでもいいかって気分になってきてしまった。

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すると気持ち、歩みがまた少し軽くなったような気がしてきた。
傍らを流れる小川の水は相変わらずどこまでも透き通っていて、苔むした周囲の土や石もとてもきれいな緑色をしている。所々には小さな花も咲いていたりして、それらは普段あまり見たことのない形のものなんかも多いみたいだ。

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小川の水や草木の姿に目を向けながら、ここでも平地では順調なペースでルートを歩き進めていくと、その先に見えてくるのが地図上に「Big Rock」と書かれた巨大な岩のように見える切っ立った「絶壁」である。
この絶壁の手前が再び急な傾斜部となっており、そこをジグザグに切り開かれた狭い砂利道が、その壁の上側にあるはずの「69Lake」へと続いているようだ。

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「よし、行こう!」
気合いを入れ直して、いざ、その斜面を登り始める2人。しかしその「上へ」と向かう気持ちとは裏腹に、呼吸はすぐに辛くなってきてしまう。どうにも息が切れる。
特にMには辛い道程だ。何度も何度も休憩を入れながら、息を整えて少しづつ斜面を上へと登って行く。しかし、行けども行けどもなかなか「終わり」が見えてこないから、途中気持が切れそうになってしまう場面も…。

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でも、「行くしかない。」
ここまで来ると、Mはもうその気持ちだけで前に進んでいるようにも見える。
どんな湖がこの道の向こうに待っているのか…それを見ずに引き返すことなんて、とても出来ないもんね、こうなったら。
そして、斜面に挑み始めて1時間くらいか…遂に、ジグザグ道の終わりが見えてきた!
そしてその先には、少し平らになった石灰質の細い砂利道が続いている。
もしかしたら、もしかして…。

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祈るような気持の2人の前に続く道の向こうに、小さな青い点が見えた気がした。
もしかして、もしかしたら…!!?
その点が次第に大きくなるにつれて、思わず涙が出てしまいそうなくらいの感動が胸の中に持ち上がってきた。
こんな色って…本当に、こんな色の湖がこの世界に存在してしまうんだ…。

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現れたのは、見たこともないような「青色」をした水の色と、その周りを囲むようにそびえる雄大な雪山の姿。そして、その雪山から流れ出る雪解け水が、滝になって目の前の湖の中へと注ぎこんでいるのである。
「期待を裏切らない」とはこの事か、いや、この風景は、はるかに2人の抱いていた「期待」の範囲を越えてしまっている。
なんてキレイなんだろう…。とにかく、見惚れる事しかできない。そして、当り前のようにたくさんのシャッターを切ってしまうのだが、どう撮ればこの魅力を捉えられるのか、画面の中に全くおさまりきらないのである。
「すごい、ほんとすごいね、これは。」

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すると今度は、それまで雲に隠れてしまっていた目の前の山の頂上が徐々に雲間から現れ始め、みるみるうちにその頂が姿を現してしまったのだ。あんなにたくさんあった雲もいつの間にかどこかへ消え去り、青空と青い湖の上に浮かぶ白銀の山頂の「白」がこれでもかっていうくらいに映えている。

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呆然とその景色に見とれながら、帰り始めなければならないタイムリミットぎりぎりまでその場所に居続けることに。最初は数組いた先客のトレッカーたちも、最後にはみな先に帰りの途についてしまい、あとはもう、その素晴らしい世界を2人だけで独占していた。

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そして、時計の針が遂にPM1:30を過ぎた。2人も帰り始めなければいけない時間だ。
下りはやはり登りよりも数倍楽で、行きよりも全然早く歩き進めることが出来たが、今度は途中から肉体的な疲れの方が体の節々に出始めてきた。
それでも、2度目のはずの周囲の風景がここでも新鮮な驚きを2人に与え続けてくれていて、そんな大自然に常に見惚れ続けていたから、最後までこんなに楽しく出発地点へと戻ってくることができたんだと思う。結局帰りの所要時間は2時間半。ちょうど4時を少しまわった頃に、入口にあるTAXI乗り場に到着することが出来た。
帰りのTAXIやコレクティーボの中では、JもMも疲れ過ぎて言葉を発することすらできなかったけれど、気分としては2人とも「充実感」で満ちていた。
こんなに素晴らしい大自然に出会えたことに、大満足のトレッキング体験でした。

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