17 August, 08

「Panama Canal。」

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パナマ運河は、太平洋と大西洋をつなぐ、長さ約80kmの大運河。

この運河計画は、1534年にスペインによって最初に計画されたものである。
しかし、当時の建設能力を遥かに超えるこの巨大計画を実現することは到底かなわず、実際に工事がスタートするのはそれから更に3世紀を待ってからのこととなった。
開始したのは、当時スエズ運河を建設したフランス人フェルナンド・デ・レセップス伯爵で、彼はその建設資金調達のために「世界会社」の名義で債券や株等を発行し、1880年から掘削工事を開始。
だが、パナマの熱帯気候がもたらす伝染病の発生など、様々な予期せぬ障害により会社の経営は破たんし、1889年にはとうとう「破産」することとなってしまう。
その後、フランスは閘門(ロック式水門)を利用する運河を発案、2回目の「フランスによる運河建設」が試みられたのだが、これも資金切れにより失敗した。
ついには運河建設の特権をアメリカ政府に売らざるを得なくなり、そこから次の段階としてのアメリカによる工事がスタートしたのである。
アメリカがフランスから運河建設の特権を4千万ドルで購入したのが1904年(その1年前の1903年にパナマはコロンビアから独立)。
それから、10年間にわたる運河工事には、75000人以上の労働力と約4億ドルの資金が導入され、1914年8月15日に無事、「パナマ運河」の開通式が行われることとなった。

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そんな、多くの人々の努力の結晶として、今、目の前に見ることができる運河の働きはとてもスムーズで、世界各国からの貨物船がひっきりなしにその運河を通行している。
併設された博物館の展示によると、運河は今、新たな時代のニーズに応えるべく、更なる拡大工事が予定されているらしい。
そして、既にそのための調査作業は開始されているのだ。

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飛行機など、空の技術が大きく取り沙汰される中にあって、人間の海に対するロマンやその担うべき役割というのは、まだまだ大きなものであるのだなと、この運河を見ることによって改めて実感させられました。

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