15 July, 08

「秘境。」

bustabi00.jpg


AM5:00発のCOBAN(コバン)行きミニバスに乗って、グァテマラの山深い道を、再び東へ向けて移動開始。
まだ夜が明けきらない真っ暗な世界の中、壊れそうなワイパーで窓にかかる小雨を拭き取りながら、2人を乗せたToyota HIACEは、それでもいつもよりは安全運転なドライビングで、何処までも連なる峠を1つ1つ順調に越えていく。
(とはいえ、相変わらず特大の“落石”たちが道の途中にゴロゴロしていたけど…。)

そして、何個目かの峠に車が差し掛かった頃、山々の向こうの空からのぞいたキレイな朝の光が、真っ暗な周りの風景に少しづつ彩りを加えはじめた。いつの間にか、出発の時に降っていた雨も止んで、誰かが開けた窓の外から少し冷たい朝の空気が車の中に入り始めている…。
毎日のように雨が降っていたNebajの曇り空に別れを告げて、新しい場所へと向かっている事を、そんな窓の外の風景を見ながら何となく感じ続けていた。

bustabi01.jpg

AM7:00過ぎに、最初の大きめな町(村)に到着。ここでしばらく休憩があり、運転手や乗客たちが周辺の屋台で朝食をとりはじめた。2人もサンドイッチを1つ買い、半分づつにして簡単な朝食を完了。あとは狭い車内で疲れた体を、おもいっきり伸びをしてほぐしてやったり。早起きして、朝日をみて、何だかとても清々しい気分。ここから始まる過酷な道程のことなんか、この時には全く知る由もなかったから…。
さらなる乗客も集めながら、ミニバスはここからさらに東へと移動し始めた。そして、この頃には太陽が完全に昇っていたから、周囲の見事な山々の風景を十分に楽しむことができた。車窓からでは上手く写真も撮れなかったけれど、この山々が織成すパノラマが、グァテマラの魅力の大部分を占めているんじゃないだろうかと思えるくらい。峠をひとつ越える度に現れる新しい景色は、いつまで見てても見飽きることがない。

bustabi02.jpg

そんな見事な風景に2人が目と心を奪われていると、急にバスの車体が左右に大きく揺れ動き始めた!?さっきまで順調だったスピードも一気に減速。 「何だ、なんだ!??」
そう思って前方を見てみると、いつの間にやら舗装道路が終わっていて、いつもの巨大落石が並ぶ凸凹砂利道がスタートしていた。まぁ、またいつもの悪路が始まったんだなと、うんざりしながらも軽く考えていたんだけど、これが今回はそれだけじゃ終わらず!?
進むごとに道はどんどん悪くなり、ぬかるみ始めた泥道の中、いつタイヤをとられても不思議じゃないような状態がどこまでも続いていく。途中には「只今、道路造成中です…」という、シャベルカーとダンプの群れが目の前の道を塞いでしまって、シャベルが道をならし終わるのを暫くその場で待ち呆けることに。削り取られた両サイドの土からはグチャグチャと水が沸きだしていて、ダンプカーでさえブレーキの時に横滑りしてしまっている…。こんなところ、普通、HIACEで通るか!??
いつ坂の下へと滑り落ちるかと冷や冷やしながら、「亀のような」スピードで進む我がミニバスの行方を凝視し続けること2時間くらいだろうか、なんとか最大の難所を通り越した雰囲気を感じ取り、またまた2人は「生きている」実感を得ることとなった。
Xelaにいた時、徳さんが日本発の「グァテマラ秘境ツアー」の話をしていたけれど、こういう事を体験すると「グァテマラって、やっぱり秘境なのかもしれない…。」と改めて思ってしまう。なにせ、「バス移動」1つとっても、こんなに色んなパターンの「スリル」を、毎回違う味付けで味あわせてくれるんだから…。

コメントを投稿





コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。