31 July, 08

「King Quality。」

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PM3:30、定刻通りにオフィス前に現れたバスは、なんともゴージャスな造りの、
文字通りの“Deluxe Bus”。
さすが、社名がKing Qualityというだけのことはあります。

車体自体も最新式の“新車”という感じで、シートはフカフカ、広々のリクライニング付。
テレビではアメリカ映画が流れ、途中にはお弁当とジュース・コーヒーのサービスまで。
チケット窓口の人の話によれば、これでもまだ“1st class”。この上に、“King Quality”という最上級のクラスがあるらしい。チキンバスが大量の客と荷物を積みこんで町を走り回っている、同じ国のバスとはとても思えない。これで、普通なら$67でコスタリカまでいけちゃうんなら、かなり安い、お買い得チケットだと思います。

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直前に降り始めた激しい雨も出発時には小雨になり、遠くに広がり始めた青空を眺めながら、2人は無事、“より南の国”へと向けて、遂に出発することとなった。
走り始めて30分もしないうちに、バスは市街地を抜けて、木々が生い茂る田舎道を走り始める。そして、日が落ち着る間際の夕焼け時になって、国境にある出入国審査所でようやく一度バスが停車することとなった。
とはいえ、2人を含め乗客はバスから降りることはない。事前にバスの添乗員が全員のパスポートを集めていて、処理がすんだらそれを皆に返して、それで“審査終了”なのだ。
ただ、ここで1つ問題が。
返ってきたパスポートを見ると、どうも、エルサルバドルの入国印が押されていないようなのだ。ガイドブックで事前に確認した所によれば、バス移動ではこのように入国審査が簡略化されてしまうが、印をもらい損ねると出国時に多額の出国税を払わされることになるらしい…そんなようなことが、確か書いてあったはずだった。
これは、きちんと説明して、何としてでもここでハンコをもらっておかねば!!
そんな使命感に燃えた2人は、片言のにわかスペイン語を駆使して必死にそれを説明するのだが、何度言っても係りの人は「それは必要ないのだ。」と返してくる。
そのカウンターアタックにも怯むことなく、再三にわたってJ&Mの2トップで「ハンコくれ攻撃」をしかけ続けてみたが、相手の鉄壁のディフェンス陣もなかなかどうして、隙をみせない。そして、結局最後までお目当ての“印”を押してもらう事はできず…。
そんな中、何とか相手の言い分を理解したところによれば、
「昔は必要だったかもしれないが、今はグァテマラ・ホンジュラス・エルサルバドル・ニカラグアの4カ国はハンコが1つでよくなっているのだ。お前たちはグァテマラ入国時に90日滞在許可のハンコをもらっているから、90日間はこの4カ国内に滞在できるのだ。」ということらしい。そうか、そういうものなのか…。
となりの乗客も片言の英語で同じことを説明してくれるし、これだけみんなが言っているのだから、今はそういうことになっているのだろう。
その説でいけば、2人はニカラグアからコスタリカに出る段になって、その時にハンコをもらいさえすればいいってことなのだ。
もう、あとはみんなを信じるしかない。明日になれば、次の国境でその全ての答えが明らかになっていることだろう。信じるしかないんだ、信じるしか…。

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