20 June, 08

「トラブル~episode2~。」

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2人の乗った地元民用のコレクティーボ(相乗りミニバス)がFloresに到着したのは、AM8:00を少し過ぎた頃くらい。
正直、あんなに早く起きたんだから、誰かからお金を借りてでも入場してしまう、という選択肢もあったんだとは思う。(時間が限られた旅であれば、そうする可能性の方が高いかもしれない。)…でも、あんな扱いを受けた後で、その添乗員の説明を聞きながらツアーに参加するなんて、やっぱり2人とも納得できなかったのだ。

ひとまず宿に戻ってくるとすぐに、トラブルに対しての苦情とTour料金の返金を主張するため、宿の受付で昨日の旅行代理店の場所を確認したのだが、受付女性曰く…
「今、担当者が出掛けてしまっているはずだから、私がまず、その件をここから携帯に電話してあげるわ。」とのこと。
申し出通りに連絡をとってもらうと、向こうはすぐこちらに来ると言っているらしい。
その言葉をそのままの意味で受け取って、ロビーのテレビの前でCNNニュースを見ながら奴らが来るのを今か遅しと待ち構えていたのだけれど…15分経ち、30分経っても、一向に姿を見せる気配がない。もう来るからとホテルの女性になだめられながら、それでも1時間経過したときにはさすがに辛抱できず、もう一度電話を掛けてみてもらうことに。
そして、何だかわからないスペイン語のやりとりの後、受話器を置いた受付女性の説明は、
「遅れているけど、もうこちらに付くはずよ。」って…。
この女性が悪いわけではないんだけれど、何だか怒りがこみ上げてくるこの感じは!?
益々イライラを募らせながら更に待ち続ける2人の前にようやく旅行代理店の人間が現れたのは、待ち始めて2時間が経過した後のことであった。
朝の添乗員の対応以来、期待を裏切られっぱなしの2人は、もう何だか腹立つやら悲しいやらで…その怒りを一気にぶつけようとしたところ、今度はその男からこんな言葉をかぶせられてしまったのです。
「今、昨日お前たちのチケットを手配した人間が出掛け先から戻って来ていない。1時になったら帰ってくるから、それまでもうしばらく待ってくれ。」!???
同じ旅行会社なんだから、お前でも対応できるんちゃうんかい!!そう思ったところで向こうにはまったく状況が理解できないようで、何を言っても話にならない。
結局、名前も顔も忘れてしまったその担当者が帰ってくるまで、さらにホテルで待たされることに。もう、焦る分だけ損なような気がしてきた。
そして、ここまでくると、早朝に起きてからほとんど物を口にしていない2人にとっては、お腹がすいてきた事の方が、早急にどうにかしたい問題になってきた。
そんなわけで、ひとまず近場のレストランでブランチタイム。気分的に、朝からビールを飲んでしまいました。でも、アルコールが入ったらさっきより少し落ち着いたかも。
そして、昇りきった太陽が2人の頭上から照りつける中、涼しい宿の部屋に戻って、腰を落ち着けて対戦相手を待ち受けることに。どうせ1時ぴったりには来ないだろうし…。
そんな2人の諦めに似た予測だけは全く裏切られることなく、結局担当者が部屋に姿を現したのは、2時を廻ってからのことだった。
ようやく鳴ったノックの音を聞いて、呆れるようにドアを開いてみると…そうだ、こいつが担当者だった!…そう、とっさに思い出した顔の持ち主は、気弱そうな、見るからに人のイイ感じの小太りな兄ちゃん。
「どうしても、前の仕事が抜け出せなくて…。I’m sorry。」
そう言う相手がいかにも「いい人」で、本当なら「それならそれで連絡くらいしろ!」って怒鳴りたいくらいなのに、何故かどうにも強く責める気になれない。
しかも、彼は何故自分がここに呼び出されたのかも聞かされていなかったらしくて、
「今日のSun Rise Tourはどうだった?上手い具合にキレイな朝日が見れたかい?」
なんて訊いてくる始末。それが何とも悪気のない感じの、とてもイイ「笑顔」なのです。
今まで上がるだけ上がっていた2人の「怒り」のボルテージが、何だかそこで一気に下がっていってしまった。こいつ、思ってた程 悪いやつじゃなかったかも…。
再度落ち着きを取り戻した2人は、とにかく切々と今朝からの「事の顛末」を説明し、相手の様子を窺うことに。そして、ようやく状況を把握したその担当者は、
「そんな事があったのか…。分かった、俺が元締め会社と返金その他についての話をしてみるから、もうしばらくここで待っていてくれ。」って。
同じ「待ってくれ。」という言葉なんだけど、さっき別の奴から言われた時とは違って、今回は「分かった。じゃあ、あんたを信じて待ってみるよ。」的な気分になってしまった。
結局、相手の対応の中に含まれる「誠意」みたいなものによって、こちらの出方も変わってくるのです。そんな事を、こんなところで改めて実感しました。
そして、その後の展開はというと…。   (第3部に続く。)

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