19 October, 07

「ベルベル・ホスピタリティー」

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トドラ峡谷からTinerhirまでグランタクシーで戻ってきたところで、トム&セリョンとはお別れ。
昨日の夜にはこれから行く町の宿についてもたくさん情報を貰ったりして、本当に最後まで一方的にお世話になってしまった。でも、そういった事をこちらに遠慮させる様なところがまったくない二人で、別れ際もとてもあっさりとした感じ。
そのさりげなさはかなりの気持ちの良いものだった。
私たち二人は今日はこのTinerhirに一泊する予定にしていたから、その後早速いつもの宿探しを開始。

最初に入った宿で見せてもらった部屋はトイレとシャワーがついたかなりキレイなダブルルームで、料金も150DHとやはり予算をオーバーしていた。仕方なく断って次の宿に向かおうとしていたのだが、その二人の肩越しに宿のオヤジがさらに声を掛けてきた。「100DHだったらOKなのか?」 1DHが¥15だから、100DHは¥1500くらい。
それはちょうど二人が考えていた予算通りの数字だったのだが、まさかバスルームつきの部屋が借りられるとは思ってなかったから「この部屋を100DHでOKって事?」と思わず聞き返してしまった。それでもオヤジが「OKだ。」と返事をしてくれたところで、今日明日の2日間ここに泊まる事にして、ようやく荷物を部屋に降ろした。時期的にもそろそろオフシーズンになっているから、宿泊客も減ってきているのかもしれない。部屋を空けておくよりは、安くしてでも泊まってもらいたかったのだろう。そうであれば、これから先の町でも少し値切りやすくなってくるかもしれない。
夕方まではだらだらと宿やインターネットカフェで時間を潰し、腹が減ってきた頃になってようやくTinerhirの町へと繰り出した。
Tinerhirは決して大きくはないけれど、とても活気のある町という印象。小さな商店が軒をつらねる中心街は、歩いているとワクワクしてくる。


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その中で見つけた一軒の小さなCaféで、ベルベルピザとミントティーを注文してテラス風の席に座った。
この店の前を通ったときに味見させてもらった「ベルベルピザ」と呼ばれているオニオン味のクレープ風な食べ物がとても美味しかったから、ここに入る事を決めたのだ。しかし、これがその後数時間に及ぶ「ベルベルホスピタリティー攻撃」の始まりとなるとは、このときの二人はまったく考えていなかった…。
灯りのないほぼ真っ暗なテラス席に案内されるや否や、先にその店でミントティーを飲んでいたベルベル人3人組が断りもなく相席してきた。そして、自己紹介を始めたかと思うと、その後息もつかせぬマシンガントークで自分たちのことを話し始めた。フィアンセがフランスにいるとか、ミントティーは注ぐときに泡を立てれば立てる程良いのだとか…陽気な人達だから話はとても面白いのだが、この暗い席で話しに耳を傾けていると、何を食べているんだかわからなくなってくる感じ。そのうち、近くに自分たちのファミリーが営むカーペット工房があるから見に来いって話になってきて、お金が掛からない事を確認しつつ、彼らの後についていった。
そこは確かに家族的な雰囲気の小さな工房で、中ではミントティーをご馳走になりながらカーペット作り体験までさせてもらう事ができた。だが、その後に待っていたやはりカーペットの販売攻撃。どんなに安くしてくれたところで要らないものは要らないから、それを何度も説明するのだが、ベルベル人はここからがとてもねばり強いのだ。
何度もこういう経験をしていながら、それでもまた同じ経験を繰り返してしまう。それはそれで面白くはあるんだけど…。
なんとかその場を無事に切り抜け、もう一度きちんと食事しなおそうと別のレストランでオムレツを注文。すると、なんとここにも新たなるベルベルの刺客が!?二人の食事が終わったのを見ると、「自分のファミリーの店を是非見に来てくれ」と頼んでもいないのに二人を先導し始めた。断ろうとすると必ず彼らが口にするのが、「これはベルベル人のホスピタリティーだから、そう言わずに是非受けとめてほしい。」という内容の言葉。
今度の店は、二人が泊まっている宿のすぐ目の前。中でしてくれる話もとても興味深いモノだったのだけれど、最後にやっぱり切り出される販売攻撃を何とかかわすのに結局さらに2時間ぐらい掛かってしまった。まったく何をやっているやら。
最後まで何も買わなかったけれど、もう、絶対にベルベル人にはついていかないようにしよう…。

コメント

恐るべし!ベルベルですねぇ(笑)
商人としては見習うべきですかねぇ~

この人達は断ってからが長いんです、ほんとに。
日本人向きの商人ではないですね。
逆に、買う気をそこなっちゃいますよ。
ほんとうに、恐るべしでした。

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