12 December, 10

「River Runs Through It…。」

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この町で暮らすことは、身体のどこかで何時もこの河の流れを感じているって事なんだと思う…。

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部屋に差しこむ朝の光の、やわらかいぬくもりを感じながら、散らかしていた荷物をまとめ始めた。AM10:00、Check Out。町に出て、遅めの朝食を探しながら狭い路地を歩く。

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最初に食べたのは、こんなお店の小さなショーケースに並ぶ、手のひらサイズのお菓子。こういうお店はどこもショーケースが可愛らしくて、お菓子を選ぶのもまた楽しい。

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お菓子の名前は良く分からないけど、これはヨーグルト風味でなかなか美味しかった。葉っぱのお皿に載せてくれるのも、また良い。

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…そんで、結局はまたこの場所に来てしまうのです。オヤジもこちらの顔を覚えてるから、着いた途端に「プレーン2つだよな。」と、すぐに作り始めてくれる。

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「うん、やっぱりオヤジの作ったやつのが美味い!」…最後の日が“オヤジの日”で、とても満足そうなM。

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そんな気分の顔を、オヤジの顔の横に並べて。

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列車はPM6:00過ぎの予定だから、PM4:30頃にホテルを出るとして…。遅めのランチを食べるまでの間、最後にもう一度ガンガーを歩こうか。

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どの路地を行けばガートに出られるのか、今はもう、だいぶ分かるようになってきた。牛さえ行く手を邪魔しなければ…。

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この河の水に浸かったのは結局1度だけのことだったけど、直接水に触れていなくても、「そこにガンガーが流れている」ことを、滞在中は常に感じ続けていた気がする。

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河の傍に暮らすってのは、きっとそういう事なのだろう。たとえそれが“聖なる河”じゃなくても、素晴らしい河はいつだって、人の心に澄んだ潤いを与えてくれる。多分、この場合の“河の素晴らしさ”は、水のキレイさだけじゃないのだと思う。どんなに水がキレイな河でも、人の心に沁みてこない“流れ”もあるだろう。ガンガーはとても汚い河だけど、人々が常にその水と触れあっていて、だれもがその流れを「聖なるもの」として受け入れているから、そんな人々の心の目を通すことで、ここは“澄んだ潤いを与えられる河”になれているのだろうと思う。僕らにしても、話に聞くだけだった時は「どんなに汚い水なんだろう…。」と、衛生的な事ばかり気になってしまっていたが、実際に自分らの目で見て、身体で触れた後では、その同じ河の水の色が、何だか全く違ったものとして映った。
人々が沐浴する姿を見る時、「よくもまぁ、この水で…。」なんて思ってたのが、いつの頃からか「気持ち良さそうだな…。」なんて気分に変わっている。何ていうか、そういう感じ。
…でも、火葬場で人の遺体が焼かれ、その灰が流されていくのを見ていると、「そういえば、子供や出家者は荼毘に付されず、そのまま河に沈められるんだよなぁ…。」なんて事を思いだしたりして、「この河に潜るのだけは…やっぱちょっと、イヤかな…。」と、馴染みきれない弱い心(!?)が顔を出したりもするのでした。

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遅めのランチは、ホテルの屋上にて。眼下に火葬場の煙を見ながら、白い湯気のたった「Egg Cury」を汗かいてかきこむ。美味し。

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PM4:15、預けてあった荷物を背負い、ホテルを出てすぐの大通りでリクシャを拾った。ホテルのオーナーが、「リクシャ料金は、大体80Rsくらいだ。」といっていたので、言い値の100Rsを80Rsに値切ったところで、簡単に交渉を済ませてそのまま駅に向かうことに。

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今回は“オートリクシャ”での移動です。でも、これはこれで毎回“運転の荒さ”にドキドキさせられて、目が離せないというか、心が休まらない。こんな無秩序な運転をみんながしていて、よく事故が起こらないもんだ…って思ってる傍で、何か「ガシャッ!!」って音が後ろの方から聞こえたような…。さらば、ヴァラナシ。さよなら、ガンガー…。

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