07 December, 10

「In the early morning。」

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早朝の暗闇を抜け、最寄りの路地からガンガーに出る。AM5:30。昨日よりも空気が冷え込んでいるようで、一緒に来た薄着のイギリス人女性2人はしきりに「寒い。」と、身体をさすっている。2人が着てきたPatagoniaのモコモコJacketは、やはり正解だったようだ…。

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誰もいないボート乗り場。ホテルで手配してもらった船頭の兄ちゃんが、水の中に両足を浸けてボートに結わえられた縄をほどいていく。聖なる河の水だとはいえ、寒くないはずはないだろう。濡れたズボンから滴る水に少しだけ同情しながらも、自分たちは用意された土の地面を伝って水に触れることなくボートに乗り込んだ。

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日の出時刻はAM6:00前後だと聞いていたが、水面を走り始めたボートの上から見える景色は完全に“夜”のままで、地平から光を漏らし始めるハズの太陽のエネルギーは、垂れこめた雲の中で完全にかき消されてしまっているらしい。ボートが河上の風を切るごとに、身体の熱が奪われていく気がする。

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AM6:00過ぎ。まずは最も川上にあるガート「Assi Ghat(アッシー・ガート)」まで流れを逆らって進んでいき、そこから引き返して今度は川下側のメインエリア「Dashashwamedh Ghat(メインガート)~Manikarnika Ghat(火葬場)」を目指していく。空は少しづつ白み始め、周囲にたくさんの観光ボートが他にも“流れて”いる事が分かり始めた。

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対岸の地平線の上、雲間から朝日の小さな光が顔を出しているのが見える。その風景をバックにして、シルエットだけが浮かぶボートの姿が何だか、とてもイイ感じ。河の上の世界はとても静かで、たくさんのボートに乗り込んだ大勢の観光客の“うっとうしい熱気”なんか全て、その広い川面で洗い流してしまっているようだ。

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川下側の終点である火葬場「Manikarnika Ghat(マニカルニカー・ガート)」で最後の折り返しをした頃には辺りも随分明るくなっていて、ボートが岸側を走っていくせいか、ガート上の人々の活気が船の上にまで伝わってくる気がした。

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陸の上から眺めていた沐浴とは違い、より“写真やTVで観たことのある、ガンガーの沐浴”に近い風景が2人の目の前に広がっている。

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朝の張り詰めた空気の中、その行為(沐浴)の神聖さがより際立って醸し出されてはいるのだが、全ては“向う側の世界の出来事”といった感じで、ある意味、ここでもまだ大画面に流れるTV映像を観ているような気分があった…。

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AM7:30。岸に付けられたボートを降りてガートの上に両足を着いても、まだ少し、水の上に浮遊している様な感覚が身体に残っている。そして、完全に冷え切った手足を必死に摩りながら、地面の感触を徐々に取り戻していく。

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地に足を着いて改めて周囲の風景に目を向けてみると、「沐浴する人々が住むのと同じ“陸側の世界”に、これで自分たちも戻ってきたんだ…。」って、ふいにそんな感じがした。

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すると、何だか急に眠気が襲ってきて、今度は目の上をゴシゴシと擦り始めるのであった。安心したのか、満足したからなのか…。宿に戻ったら、少し眠ってから朝飯にしよう。それとも、暖かいチャイだけでも先に飲んで…うん、それもいいなぁ…。

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