05 December, 10

「Doon Express。」

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夜明け前のBuddha Gaya(ブッダ・ガヤ)をオートリクシャに乗って出発し、30分程でGaya(ガヤ)の鉄道駅へ到着した。

AM5:10発。Doon Express(ドーン・エクスプレス)という名の特急列車が2人を乗せて走り出した時点でもまだ空には星が瞬いており、夜の冷気が静かな車内にまで吹き込んできていた。Backpackから寝袋を取り出し、その中に包まって指定の席(ベッド)で横になる。…と、いつの間にやら眠気が襲ってきて、2人ともグッスリ眠り込んでしまった。

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気が付くと、朝日が車内に差しこんできていて、周りではインド人の乗客たちがドタバタと通路を歩き回っては、歯を磨いたり弁当を食ったりしている。AM9:00過ぎ。予定では、あと1時間くらいで目的地のVaranasi(ヴァラナシ)に到着することになる。2人も荷物を再びまとめ直し、ベッドから降りて席に着いた。田園地帯を走る列車の速度は時速50kmくらいだろうか。そういえば、この列車の名前を最初に聞いた時、「ドーン・エクスプレス」という音の響きと乗車時刻から、何となく“Dawn Express(夜明けの特急)”を想像していたのだが、チケットに書かれた文字を見ると“Doon Express”が正式な名称であるらしい。どういう由来の名なのか、意味は不明。全く、紛らわしい…。

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席に座って窓の外の風景に目を向けていると、前の席に座っているインド人親子(母と娘)が、しきりにこちらの手元を気にしているのに気が付いた。そして、数分後。
「その本、ちょっと見せてもらえないかね。」おばちゃんが気になっていたのは、どうやら日本語で書かれたインドのガイドブックであったらしい。
「もちろん、いいですよ。因みにこれ、日本語です。」笑顔でその本(地球の歩き方)を手渡してあげる。すると、中に挟まれた地図やインド各地の写真などを眺めながら、おばちゃんなりの「おススメ・スポット」などを熱心に説明してくれるのであった。

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しかし、この親子は2人ともほとんど英語が話せないので、話す言葉は全て“ヒンドゥー”である。つまりこちらとしては、ほぼ一言も、彼女らの言葉を理解できない。
仕方がないから話の合間に何となくそれらしい相槌を打ち、笑顔や驚きの顔を返してみる。そうしたら、おばちゃん側は何だかさらに気をよくして、怒涛のように喋りまくってくるではないか。そうなるとこちらは更なる笑顔と相槌を返すしかなく、いつの間にやら和気あいあい、妙に会話(!?)が弾んでしまうのであった。その感じ、何というか、とても旅らしくて良かった。

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AM10:30。列車はVaranasi(ヴァラナシ)の駅に到着した。既に朝の冷え込みはどこかに消え去っていて、暖かな陽射しが車内で厚着していた2人の身体を汗ばませる。それでもその暖かさは日本で言うと「春」とか「秋」のそれであって、“インド”という国名からイメージする「灼熱の世界」からは、ほど遠い感じ。
ホームに降りて駅の出口方面へと歩き出すと、あっという間にリクシャの“客引き”が寄って来て、結局そいつの車(オートリクシャ)で町まで出ることにした。駅からガンガー周辺の安宿まで、4kmの距離で料金は60Rs(≒120円)なり。

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そのオートリクシャに乗って町を移動している間、運転手のオヤジが“日本人のお客さんたちが彼のために書いてくれたメッセージ・ノート”なるものを見せ始め、終いには「おれは、“長澤まさみ”ってTVスターを乗っけた事もあるよ。」と、ホントかウソか分からない自慢話まで飛び出してきた。インド人の言う事だから、話半分に聞き流す。それでも悪いオヤジではなさそうで、結局彼のおススメという「Sandhya G.H」に宿を決めることにした。地球の歩き方にも小さく名前が載っているが、オーナー夫人が日本人女性で、部屋の雰囲気もそれほど悪くない。

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Bathroom付きのDouble Roomが1室300Rs(600円)で、屋上のRestaurantではちょっとした日本食も食べられるらしい。オーナー夫婦の小さな子供2人が辺りを縦横無尽に遊び回っていて、奥さんが大阪弁(実際の出身は広島だった)で叱りつけている。レストランの上にある小さなバルコニーからは、建物の連なりの向こう側にGanga(ガンジス河)の姿が少しだけ…。遂に、ここにやってきたんだ。お茶と簡単な朝飯を急いで腹に入れてしまうと、カメラだけを肩からぶら下げて、喧噪の町を歩き始めた。目指すのは、もちろん…。

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