「どんより。」
昨夜は雨が降っていたのだろうか。窓を開けると、バルコニーの床がしっとりと湿り気を帯びているようで、空は一面、どんよりと分厚い灰色の雲に覆われている…。
太陽の光を失ったイスタンブールの町は、どこか全体に“元気をなくした子供”のような雰囲気。昨日までは、あんなにはしゃいでいたのに…。
その分、少し大人びて見えて、よりヨーロッパ的な色というか、印象が濃くなる気がする。
時おり小雨も降ってくるような天気の中ではあまり気持ち良く散歩もできなくて、結局今日も最後には“渡し船”フェリーの中へと逃げ込んでしまった(笑)。
夕方、陽が落ちる直前の微妙な色合いの空を見ながら、いつものように温かいチャイを。
アジアサイドに到着しても特に町を見たりはせず、そのまま同じフェリーに乗って元の港へと戻ることにした。曇っていても、それはそれなりにキレイな空で、そんな空の色の変化を、少しでも長く見ていたいと思って…。
この、ガラタ塔周辺の景色が近づいてくる頃の風景がとても好き。
帰りは新市街側の埠頭で船を降りて、ガラタ橋を歩いて渡りつつ、ホテルのある旧市街サイドへと戻った。天気が良くても曇っていても、橋の上には釣り人がいっぱい。
そんで、こんな風に「満腹」を体現したワンコを見てたら、自分たちもお腹が減ってきてしまって…。
いつもと同じロカンタ(食堂)の、いつもと変わらない美味しそうな風景(笑)。
ご馳走様でした…。