思いがけなく“長居”することになったAddis Ababa（アディスアベバ）。普通に考えれば、長く滞在した分だけ沢山のモノや場所を見てきていそうなものなのに、実際には毎日同じ場所を歩くだけで、今でも行ってない地区や見所がたくさんある…。

今まで旅してきた中での実感として、こういう風に長期で滞在することになった場所や町ほど、見落としているモノが多い気がする。それは多分、“観光で東京に来たら東京タワーに登るけれど、東京に住んでしまっていると以外と登らずに過ごしてしまう”のと、同じような理由なんだと思う。いつでも行ける状況にあると、後回し、後回しにして、結局行かないままになってしまうってことが、往々にしてあるものである。

さらに、今回のアディス滞在に関しては、日々、「明日こそイエメンVISA取って次の朝には出国してやる！」…という希望が空回りしながらの毎日だったから、常に落ち着かない状況の中で、結果的に何も出来なかった…ってのもあるだろう。とにかく、そんな風にして過ごしてきたこの“雨のアディス”の灰色にくすんだ街並みとも、遂に明日でお別れすることとなった。

結果から言えば、「イエメンVISA」は結局、取れませんでした…。最初に大使館を訪れてから、ほぼ2週間が経過した今、最終的にVISA取得を諦める事は、やっぱりとても悔しいものです。だって、2週間っていったら、普通のHoliday旅行（しかも長めの）が出来てしまうくらいの日数なのである。それだけの時間を、何とも退屈な毎日と向き合いながら、ただ“待つ”ことだけに費やしてきたのに、最後には全てが無駄に終わるだなんて…。

でも、2人のエチオピアVISAが9月3日に切れてしまうことを考えてもこれ以上待ち続けるのは難しいし、昨日・一昨日の大使館とのやり取りから思うに、多分これは彼らの国のラマダンが終わらない限り、VISA発給の許可は処理されてこない気がするのである。ラマダンが終わるのは、今月10日（多分）。結局、エチオピアVISAを延長（結構手続き大変との噂）してまでその日を待ち続けるという気概は、2人の身体には残っていなかったらしい。正直、もう待ちくたびれました…。

明日のAM4:00発で飛び立つフライトが向かう先は、2人にとってアフリカ大陸最後の国“EGYPT（エジプト）”の首都、Cairo（カイロ）。灼熱の太陽と、砂漠に佇むピラミッドの姿は、ガイドブックの中から既に2人の心を捉えてはいるけれど、“逃した魚”に対する思いも、未だ引きずったままだったりもして…いや、もういいや、あんな使えない大使館を窓口にしている国のことなんて、もう忘れよう、うん、忘れるしかない！

因みに、Addis Ababa（Ethiopia）からCairo（Egypt）まで、Egypt Airで1人片道US$320。1ヶ月前はもう少し安かったような気もしたけど、何せ今はドルに対してかなり円高が進んでいるから、こういう買物に関しては、それでも非常に“お買い得”な気分があります（笑）。購入は、シェラトンホテルのトラベルデスクにて。ここのホテルの内部だけ、全くエチオピアじゃないです（笑）。異国を感じた…って言ったら変だけど、あまりの別世界に、ちょっと外に出たくなくなったりもして。Mは「匂いが違う…。」って言ってた！？…確かに、なんかイイ匂いがする。…まぁまぁ、とにもかくにも、これで遂に夏が来る、夏が！　雨に浸った道路の“にゅるにゅる”とも、ようやく明日でお別れだ～。

※）表題の“エシエシ”とは、エチオピア語で「Yes、Yes。」とか。「OK、OK。」みたいな意味…だと思います、多分。実際、会話の中で聞くと、響きが妙に面白くて（笑）。