23 October, 09

「Uluru。」

uluru1%2000.jpg


はじめて目にするUluru(ウルル)の姿は、夕暮れ時の空の間でキレイな赤色に染められていた。

uluru1%2001.jpg

周辺の道路沿いにあるパーキングエリアにはびっしりとたくさんの車が並び、夕陽を浴びるUluruを目当てにやって来た観光客たちがカメラを構えているのが見える。
そんな大量の人出を横目に、2人の乗ったTourバスはどんどんUluruの傍へと近づいていく。夕陽と岩の美しい姿を見るなら少し離れた方がベストなのだが、ガイドとしてはその前に“明日登るかもしれない”岩の登り口と、その勾配の厳しさ、さらにはまっ赤に染まった岩肌の質感を一行に見せたかったようなのである。
到着した登り口は思った以上に急な斜面になっていて、人工的に設置された手すりが無ければ転げ落ちてしまうんじゃないかというくらいの気配が漂っている。だが、話によれば今日は気温が上がりすぎたためにAM8:00には入口が閉門されてしまったらしく、明日も「絶対に登れる」という保証はどこにもないとの事。さらにここはアボリジニーの聖地にもなっている場所で、登ることを希望している人もその事を十分に考慮してほしいという説明が全員にされたのである。
明日は参加者の希望で“Uluru登山コース”と“Uluru山麓ウォーキングコース”に分かれて行動することになっているのだが、一体どちらを選ぶべきなのか…。

uluru1%2002.jpg

そんな事を考えているうちにも夕日はどんどんと傾き始め、「ちょうど良い時刻」が徐々に近づいてきているのを感じ始めた。そろそろこの場所を出発して、離れたView Pointへと向かうべきなのかもしれない。

uluru1%2003.jpg

全員がバスに乗り込んだのを見て、バスは岩から遠のき始めた。目指すのは、観光バスとそこから吐き出される大量の観光客が集まった、夕暮れ時の“一等地”だ。

uluru1%2004.jpg

その場所に到着すると、椅子に座ってワイングラスを片手にUluruを眺める人々の姿が2人の目に飛び込んできた。グループによってはシャンパンやおつまみ等も配られ、なかなかに豪勢な感じである。

uluru1%2005.jpg

格安キャンプツアーに参加中の2人にはそんなサービスがつくわけもなく、「ワイン、美味しそうだなぁ…。」などと指をくわえながら景色を見ることに専念しておりました。
周りがもう少し静かだったら、もう少し静かな心境で聖地を拝むことができたかもしれないですが。でも、これはたしかにこれだけの人が集まってくる価値がある場所かもしれない。あの岩にはどこか、神秘的な気配が確実に備わっているようで…。

uluru1%2006.jpg

コメントを投稿





コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。