28 February, 09

「優しい言葉。」

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昨日のBar Surでの悲しい出来事が、2人の心の中に”やりきれない思い”を少しづつ作り上げており、最後にはその重み(!?)に耐えられなくなって、2人はいつの間にかその券を購入したTICKET OFFICEの前へとやってきてしまっていた…。

人の良さそうな店のメガネオヤジに昨日の事を話してみると、曰く
「いや、あのチケットはPM22:00までの有効券だよ。表書きにも書いてあっただろ?
ただ、ショーは夜中までやっているから追加料金を払えば勿論その後も見ることは出来るけどね…。」
やっぱりそうか…。相変わらず人の良さそうな顔をこちらに向けているオヤジに向かって、その思い違いのせいで昨日は30分しかショーが見れなかったのだと思わず愚痴をもらしてみたところ、その後になんと、思いがけないような優しい言葉をかけてもらうことになったのである。

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「そのショーのチケットじゃないけれど、俺のおススメの別のショーがあるから、そっちの券を譲ってやろうかね?…いやいや、別に料金はいらないよ。これは俺も見たけど、とっても良かったから、もし今日の夜時間があるなら是非行ってみてもらいたんだが…。」
そんな風に素敵な提案をしてもらえるとは思ってなかったから、2人ともその言葉を聞いた時には一瞬何を言われたのか理解が出来なかったくらいだった。
そして、キチンと理解が出来た時には、思わず涙がこぼれそうになってしまった(笑)。
まったく、これだから「アルゼンチン人は何か、いいなぁ」って思うんです。
アリガトウ、メガネオヤジ。

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そうして見に来ることになったのが、この「TANGO a TIERRA」という劇場公開のタンゴショーなのである。
これまで訪れたようなバーやレストラン形式ではなく、あくまでも劇場でショーそのものを鑑賞するというスタイル。小さな劇団の濃密な演劇を見せられているような完成度の高い踊りと音楽に、タダで見に来ておきながら思わずあっけにとられてしまった。
1つ1つの技の切れや、演技に掛ける思いの伝わり方など、その全体から、見る者を感動させる“何か”がにじみ出てきている。
最後の最後、本当に思いがけない形で出会う事になったこのショーのTangoこそが、今回アルゼンチンで見た中で最高の出来のモノであったと思う。

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昨日の夜、あんなに陰鬱になっていた自分たちの姿が、今となっては笑っちゃうくらいに滑稽なものに思えてくるなぁ(笑)。やっぱり、TANGOって素晴らしいです。

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