24 November, 08

「最後の朝。」

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今日もきっかりAM6:30に、給食おばちゃんが奏でる笛の音で夢の世界から引きずり起こされてしまった。いよいよ、アマゾン川で迎える最後の朝である。

朝食はいつもと変わらない甘いコーヒーと、クラッカーにバターのメニューだ。
起きたばかりだというのに腹はしっかりと減っているから、特に美味しくもないそのクラッカーをやけにバクバクと平らげてしまう。
朝メシ後のもう一眠りをと思ったが、これで最後なのだと思うと、ハンモックに横になってもいつもの様に眠たくなってこないようだ。
そのまま何となく外の風景を眺めつつ、舟の振動で自然と揺れるハンモックの動きに身を任せていると、途中からその“揺れ”がいやに激しくなってきてしまった。
これはまるで、海の波を受けているかのような揺れである。遂にBelem(ベレン)が、“海”が近づいてきたのか…そう思って船の行く先に目を向けてみるが、未だそれらしい影は見えてこない。ただ、川幅だけは、再びどんどんと大きくなってきているようだが。
そのまま激しい揺れを耐え忍んでいると、急にまた船の動きが穏やかになってきた。
さっきのあれは、結局いったい何だったのか…そんな事を2人で話しているそばから、みなが一斉に遠くの景色へと注目し始めた。
そしてそこには、今までこの川の流域では一度も見る事のなかったような、高層ビルの立ち並ぶ“メトロポリタン”Belem(ベレン)の姿があったのである。

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遠く向こうの方に小さく見えているその都市の姿は、ジャングルを通り抜けてきた後に見ると、何だかやけに感動的な風景である。
徐々に、それでも確実に、船はその街へと近づいて行く。
そしてとうとう、2人の川旅にも最後の時がやってきてしまった。
実際こうして近づいてみると、Belemの街は遠くから見たよりも随分とさびれた印象を受ける。船が横付けした桟橋も、今まで途中に立ち寄ってきた小さな町の港と比べてもやけに簡易的で、正直“汚い”。
これが、終着地“BELEM(ベレン)”か…。
そこがどんなところであれ、とにかく2人のアマゾン川下りはこれで幕を閉じたのである。
船内で色々と話をしたブラジル人の若者たちともここでお別れだ。
ここからはまた、陸路での旅路。広いブラジルをバスで走る、辛くて長くて、それでも楽しい移動の日々が再びスタートするのだが、今はまだ、身体に残った“船の揺れ”のフワフワとした感覚に、しばらく身を委ねていたい、かな…。

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