31 July, 08

「中米縦断紀行。」

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2泊3日の中米縦断旅行が、遂に今日からスタートした。
しかし、それはまた、始まりから“障害物競争”のように様々な状況に行く手を阻まれながらの、先行きが思いやられるような船出でもあった…。

最初に状況が変化したのは、昨日の夕方、部屋でぐうたらと寛いでいた時のこと。
前日にTIKAバスの最終予約を確認していた2人は、明日の出発に備えて荷物の整理をし始めていたところだったのだが、そこに突然、誰かがドアをノックする音が響き渡った。
何だろう…誰が来たのかな…。
「は~い!」と返事をしながらも、頭の中にそんな疑問符がよぎりつつ、とりあえずドアを開いてみると…そこには、浮かない顔をした田代さんがポツンと立っていたのだ。
田代さんはAntiguaでお世話になっている「ペンション田代」のオーナーさんであり、かつ、今回の国際バスのチケット予約を代理店に掛け合ってくれている人でもある。
実際田代さんは体格のいい人だから、「ポツン」というのもへんな表現なのだけれど、その時は確かにそういう雰囲気をかもしだしていたのです。
そんな田代さんの、この、なんとも浮かない顔。何だかちょっと嫌な予感が…。
そして、その予感はやはり、気のせいではなかったのだ。
何と、前日にバッチリ予約が確認出来ていたはずのバスチケットが、直前になってバス会社から「空席がなかった」とキャンセルされてしまったらしいのだ!?
そんなばかな!何でそんなことが起きるの!??
とはいえ、田代さんは代理で旅行会社に電話をしてくれているだけだから、直接文句を言うわけにもいかない。
そう、今度のチケットに関しては“田代さん→旅行会社→バス会社”という三段活用形の、ちょっと複雑な手配状況になってしまっているのです。
そして、今回のキャンセルは、その末端の「バス会社」によるミスらしいのだ。
「バス会社に、そっちのミスなんだから何とかしろとかって言えないんですかね…。」
そう相談してみたのだが、考えてみればここはグァテマラ。そんなことをこの段階で言ったところで、親切に対応してくれるとはとても思えない。
田代さんも、「あす朝一番で再度電話することはできるけど、あまり希望は…。」って…。
どうも、この時期中米もバカンスシーズンで、席数が少ない国際バスもチケットがかなりとりずらくなっている模様。一日ずらしてみたところで、電話の上ではやはり席の確保が難しいらしい。
とはいえ、一度「出発」を決意した2人にしても、そんなに予定を延ばす気にはなれない。
どうにか、良い方法が見つからないものか…。
そうはいってもいい考えはすぐには浮かばず、黙り込んでしまった2人に対して、ここで田代さんから1つの有難い提案があった。
「もしあれだったら、明日うちの車でグァテマラシティーまで乗せていってあげるから、そこでいくつかある国際バスの事務所を廻ってチケットを探してみましょうか…。」
えっ、本当っすか!??それはとっても素晴らしいです!!
もちろん、2人は即答でお願いすることに。田代さんの親切に甘えて、とにかく再びこの先の旅のルートを探ることとなったのだ。

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そして、一夜明けての今朝AM8:00。田代さんの車に乗って、3人は一路、グァテ・シティーへ。最初に訪れることにしたのは、もちろん、今回の“不祥事”の発端であるTIKAバスのオフィスだ。
窓口までやってくると、まず昨日までの事の経緯を田代さんから説明してもらい、その上で再度、本当に空席がないのかを確認してみた。
でも、結果はやはり「No。」とのこと。ただ、どうも話を聞いていると、昨日のバスは直前で4席キャンセルが出ていて、その4人が今日のバスに改めて“ねじ込まれて”いるらしい。でも、基本的には2席しか空きがないから、あとの2人をどうするか考え中とか…。
その2席って、もしかして元々うちらの為の席だったんじゃないの!??
とはいえ議論はそれ以上進展することもなく、仕方がないので別のバス会社へと移動してみることにした。
「一応、行ってみる前に携帯で電話してきいてみましょう。」
そういった田代さんが何やらスペイン語でヤリトリしてくれたところによると、どうも「Guatemala→CostaRica」のチケットが2席分空いているらしい!
「今すぐそちらに行きますから。」そう言って電話を切った田代さんにお礼を言いつつ、喜びの“ホクホク顔”でそのバス会社のオフィスへと向かう2人。(田代さんの車で。)
少し道に迷いながらも15分程で到着して、いざ、3人はそのバス会社「King Quality社」のオフィスの中へと突入!
「さっき電話したものですが、コスタリカ行きのチケットを2人分お願いします。」
意気揚々とそういった3人(実際話したのは田代さん)に、しかしながら返ってきた答えは…「コスタリカ行き?全部埋ってるよ。」だって!????
えっ!?なに!??どういうこと!???
言っている事が上手く理解できず、その場で混乱する3人。そして、そんな3人の“?”状態をよそに、平然と首を振り続ける係の人。
誰だ、さっき電話で「あるよ。」って言った人間は!?出て来い、このやろ~!!

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…そんなことを、実際には努めて温厚に尋ねてみたが、その“誰か”が出てくることはなく、ここに来てまた、チケット探しは振り出しに戻ってしまった。
何なんだろう、これは…もしかして、グァテマラを出るなってことなのかな…。
いや、実際には、エルサルバドル(隣国)の首都San Salvadorまでならチケットはあるから、それなら手配は可能なんだけど、今回は少しでも遠くまで移動をしてしまいたかったから、そういうチケットを探していたのだ。でも、こうなった以上、とりあえずサン・サルまででチケット買うしかないかも…。
そんな、半ばあきらめたような空気が辺りにたちこめ始めた時、目の前の沈着冷静な係りの人の口から新たな情報が出てくることに。
「“グァテマラ~エクアドル~ニカラグアの1泊2日バスの旅チケット”と、“ニカラグア~コスタリカ間チケット”を別々に手配するなら、なんとかコスタリカまでのチケットを手配できそうだよ。」
何それ、それが欲しかったチケットじゃんよ!そう思ったのだが、どうやらその“別々予約”でコスタリカまでチケットを取ると、一括取りより高くなるらしい。
つまり、一括なら$67のところが、別取りになると$105まで跳ね上がってしまうのだ。
(ニカラグア~コスタリカ間は、“King Qualityクラス”という最高級クラスらしい。)
どうしよう、こりゃ大分違うよなぁ…。
確かに、高い。そうは分かっているんだけど、とにかく、移動するぞっていう“勢い”がついてしまっていることと、田代さんにここまでやってもらったことに対する“申し訳なさ”もあり、「まぁ、高いけど、もうこれでいいことにするかぁ~。」
なんていう、少し投げやりな感じの最終決断で、とにかくコスタリカまでのチケットを購入してしまうことに。
“とりあえずニカラグアまで。”とか、“いや、まずはエルサルまで。”とか、色々方法はあったと思うけど、とにかく遠くまで行きたかったんです。これでい~んです!!

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そんなわけで、1か月以上の滞在を経て、無事ここグァテマラを脱出することとなった。
この先の旅路は、果たして順調に進んでくれるのかなぁ…。

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