「ガクガクの脚でトイレ探し。」
登り始めた太陽の熱が、2人の冷え切った身体を少しづつ温めていく。陽射しの強さはダハブのそれと変わらないくらいだけれど、空気はヒンヤリと張り詰めていて、山を歩くのにはちょうど良い感じ。
登り始めた太陽の熱が、2人の冷え切った身体を少しづつ温めていく。陽射しの強さはダハブのそれと変わらないくらいだけれど、空気はヒンヤリと張り詰めていて、山を歩くのにはちょうど良い感じ。
かつて、モーセが神から十戒を授かったと言われる場所、シナイ山の、その頂上。満天の星空の下にくっきりとした輪郭を見せていた周囲の“灰色の山なみ”は、朝の光の中でその輪郭を少しずつ失っていき、ゴツゴツとした岩肌が美しい紅色に染まりはじめると、ぼんやりかかる朝靄の中、それは“紅い海”とでもいうような神秘的な風景に変わっていく…。