10 October, 07

「砂漠の謎」

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砂漠ツアー2日目。
昨日の夜はあいにくの曇り空のせいで、満天の星空を見る事は出来ず。朝もどうせ曇ったままだろうと、朝日の時間に起きなかったんだけど、実際には雲ひとつない青空が広がっていた。昨日の雲はどこへ行ったんだ!?
砂漠のど真ん中に張られたベルベル人のテントからごそごそと顔を出した頃にはもう太陽が顔を出していて、夜の間に冷え切ってしまった砂漠の空気を徐々に温め始めていた。

時刻はAM6:30。パンとジャム・チーズの朝食をペロリとたいらげ、4人は今日もそれぞれのラクダの背中へ。ガイドのヴァス(ベルベル人)は1人だけ歩きで、ラクダの手綱を引っ張っていく。太陽の光がジリジリと露出している肌を焦がし始め、砂漠の砂をあめ色に染め上げていく。
それにしても、暑い。昨日は曇り空だったからまったく感じなかったけど、只、ラクダの背中に座っているだけで体力がみるみるうちに消耗していく。
昨日は夕方、今日は朝方に移動を開始したワケは、何といってもこの砂漠の「暑さ」を回避するため。そうやって時間を選んで動いてもなお、その「暑さ」に苦しめられる事になるのだ。
それでも、J&M&大学生2人はまだいい。のどが渇いたら水を飲めば良いのだから。
ガイドのヴァスに至っては、ラマダン中で日中は食べる事だけじゃなく水すら飲む事が出来ない状態。本人にとってはいつもの事なんだろうけど、見ているこっちが心配になってしまうくらい、ひたすらに前に進み続けていく。宗教上のこととはいえ、どこからこの気力、体力がわいてくるのか…。砂漠の「謎」のひとつである。
そうして、2時間程砂漠の中を進み続けた頃に、一行は突然砂丘地帯を抜けて、辺りは砂利と小さな石が転がる荒涼とした「大平原」に。そこから見えるさらに先には視界の右から左へと一直線にグランドキャニオンのようなテーブルマウンテンが広がっている。
聞いたところでは、あの向こう側はアルジェリアで、テーブルマウンテンが「国境」になっているらしい。
昨夜、夕食の席でヴァスとは別のベルベル人ガイドと話をしたのだが、その人の父親はその昔、この国境をラクダ数頭引き連れたまま間違えて越えてしまった事があったという。その際、アルジェリアの国境兵に捕まってラクダをすべて没収され、耳を片方削がれてしまったらしい…..。
だから、アルジェリア兵はとても残忍で恐ろしいんだとも言っていた。逆にモロッコ兵はとても良心的なんだとも!?
その話の真相はまたひとつの砂漠の「謎」だけれど、とにかく、今、2人はその国境の山を目の前にして、広大な台地が広がる風景に心を奪われている。...いや、実際にはその風景ではなくて、その中にポツンとたたずむ2つの小屋に目を向けていた。多分それが今日午前中に一行が目指してきた目的地であるハズの場所であり、暑さに消耗しきっていた一行にとっては「ランチ」の食べられるオアシスになるところであるハズだから。
そして、それは間違いではなかった。ラクダはその小屋の前で座らされて、4人は傍にあるベルベルテントの中でひと休み。
ミントティーでのどを潤したあと、パンと野菜でおなかの方も潤す事が出来た。


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しかし、ここから先が問題だった。
私たち4人は皆、ここは一時的な休憩場所であって、夕方には、また美しい「砂丘の砂漠」に戻るものだとばかり思っていた。それなのに、ガイドのヴァスはいくら待っても出発の準備をしようとしな….。テントの中は4人で過ごすには少し手狭で、皆、少しずつ息苦しさを感じ始めたころになって、恐る恐るヴァスにその事を確認すると、今日はもう移動はないよと軽くあしらわれてしまった。ここが今日の寝床でもあるって…!!?
これはホントに意外な展開だった。
ここは確かに砂漠の一部ではあるし、広大で非日常的なスゴイ場所だとは思うけれども、私たち4人がこのツアーで期待してきた「砂の砂漠」とはあまりにもかけ離れている。廻りには影になるようなところはまったくなくて、休めるところはこのテントだけ。おまけにテントの中にはハエがブンブン飛び廻っていて、本を読むことにさえ集中できない。
時刻は正午をようやく回ったところで、たっぷり半日は時間が空いたことになる。
最初は予想とかけ離れたその状況に頭が直ぐに対応できず、何をしていいやら呆然としていたのだが、いざ腹が決まってしまうと後はどうにか過ごせてしまうもので、日記を書いたり(相変わらずハエに邪魔をされたが…)、話をしたり、グータラグータラしている内にいつの間にか夕方になっていた。
そして、夜になるとこの場所の広大さが本領を発揮。空一面に広がるのは、今までに見た事もない大きさの「巨大天然プラネタリウム」。これは本当にスゴかった!!
天の川がくっきりと、片方の大地から対面側の大地まで一直線に見えている。星の数が多すぎて星座も見分けられないくらい。
ここではもちろん、この旅のバイブル「Le Petit Prince」を片手に、2人で小さな王子さまの星探し。その謎解きの結果については….!??

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