18 July, 07

アウシュビッツ収容所

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AM4:30、アウシュビッツ収容所跡がある街「OSWIENCIM」に列車が到着した。それにしても、昨夜の夜行列車はかなりのドタバタ模様だったな。
寝台じゃなくて普通のシート車両(予約なし)だったので、早めに列車に乗り込んで眠れる様に広いスペースを確保したまでは順調だったんだけど、いざ列車が出発して車掌さんのチケットCHECKの段になったら「今乗っている車両は途中で切り離されてしまうから、途中AM2:00のストップの時に後ろの車両に移ってくれ」だって。到着が早朝の予定だから少しでも眠っておきたいと思っていたのに、結局ほとんど眠れないまま言われたとおりにAM2:00ごろ車両移動。今度の車両は席もほとんど満席だったからPOLAND人のオヤジ二人と合席になってしまった上、このオヤジ二人が壊れて開かない窓を必死に開けようと頑張っていて、あーだこーだととにかくウルサイ!!最後にはどうにか静かになったものの、気づいたときには窓の外は白み始めて、あっという間に目的地に到着。今日はかなりHEAVYなアウシュビッツ見学だってのに、疲れも取れないまま朝を迎えてしまった・・・。
だけど二人してお疲れ模様でいざホームに降り立ってみると、空には雲一つない快晴の予感。また、新しい場所(国)になったんだなと、気持ちを新たにして駅舎の中に入って行った。
とはいえ、なんせ早朝過ぎるもんだから荷物を預ける事務所も閉ってるし、アウシュビッツへ行こうにもまだ開場まで時間がある。とりあえず、ベンチに荷物を降ろして、街が動き出すのを待ちつつひと休みしていたつもりが、いつの間にか二人共その場で眠ってしまっていた。
朝日の暑さで目を覚ますと時間はAM7:00過ぎ。駅にメインのBACK PACKを預けてバスでアウシュビッツへと向かった。


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『アウシュビッツ収容所』
歴史に悪名を残すこの施設に、遂に足を踏み入れてしまった。現在、保存、公開されている収容所施設は大きく2つの場所に分かれていて、1つはオシフィエンチムでもう1つは3キロほど離れたところにあるビルケナウ。
オシフィエンチムの方は、アウシュビッツ1号と呼ばれる、収容所の基本となった施設群で、今も当時の収容所施設がそのまま保管されており、それぞれの内部(ガス室など)を見学することが出来る様になっている。中には当時の状況を解説する展示の他、実際に収容された人々の持ち物や衣服、さらには刈り取られた毛髪に至るまで大量に保存公開されている。
その1つ、1つを見るにつけ、今まで歴史の教科書でしか知らなかったこの虐殺施設が、現実のものとしてこの世の中に存在していたんだということを改めて深く考えさせられた。
2つ目のビルケナウの方は通称アウシュビッツ2号、広大な施設の中に300棟以上の収容施設(完全な形で残っているのは44棟のレンガ造りと22棟の木造棟のみ)跡が、残されており、中央には当時囚人たちが各地から運ばれて来た時列車の為の引き込み線路が残っている。
こちらは展示と呼べるものはほとんどないけど、そこに残されている建物や線路を自由に歩けるようになっていて、訪れる人は皆それぞれの形で物思いにふけっている様子だった。
それにしても、写真にも写っている通りの快晴だった事もあり、歴史的な事実を抜きにすれば歩いて回るのに本当に気持ちがいい場所で、周囲の自然もとても美しい。
その現状と、残された施設群から漂ってくる死臭のようなものとのギャップが痛々しくて、それがこの場所を、二度と繰り返してはいけないその歴史的事実をより一層深く考えさせる場にしているんじゃないかと思った。この場所に今見える年輪を重ねた大きな木々たちは、きっと60年以上前の恐ろしい事実を目撃したに違いない。絶望的な状況の中、まったく未来に希望を抱けないままにその命を絶たれてしまったたくさんの人々の事を思うと、今こうして旅をしている自分たちはなんて幸せなんだろうと思う。
星の王子様いわく、 「一番大切なものは、目には見えない。」
(*星の王子様:二人の旅と人生のバイブル)
目に見える事実や言葉、状況なんかに惑わされる事なく、人を大切にして、自分を大切にして、自分たちの住むこの世界を大切にしていく事。そういう気持ちを育てながら、この旅を続けていければいいなと思う。


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